注目すべきDockerの周辺技術 PanamaxとKubernetes
Panamax
開発元 | CenturyLink Labs |
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公式サイト | http://panamax.io/ |
ライセンス | Apache License 2.0 |
提供開始 | 2014/08 |
最新バージョン | 0.2.5 |
Panamaxは「人間のために考えられた」をキャッチコピーとしているDockerコンテナのGUI管理ツールである。Panamaxは、ブラウザ上からコンテナの作成、管理、削除を実行出来る。加えて、後述するPanamaxテンプレートを用いることで、サービスを1クリックで稼働させられる。導入も非常に簡単なので、試してみたい。インストール手順も後ほど紹介する。
メリット
最大のメリットは、やはり複数のアプリケーションの組み合わせである「システム」を1クリックで稼働させられる「Panamaxテンプレート」の存在だろう。これを使うことによって、インフラを知らない開発者であってもGUI上からのワンクリックでシステム基盤を作成し、アプリケーションの開発に取り掛かれるのは、非常に大きなメリットと言えるだろう。
デメリット
Panamaxのデメリットとしては、ユーザ管理が出来ない点が挙げられる。本来であれば「Aさんには○○が出来る権限のユーザをあげるよ。Panamaxで自由に環境作ってみてね」としたいところだが、現状ではこれは実現出来ない。Panamaxが動いている環境がわかってしまえば、だれでもアクセス出来てしまうからだ。これでは管理が煩雑すぎるし、セキュリティ的にも不安である。少人数で個々人の動きが把握できる、または信頼出来るチームでなければ複数人で利用するのは難しいだろう。
Panamaxの導入
導入は非常に簡単である、今回はCoreOS上への導入手順を紹介しよう。
これでインストールは完了だ。PanamaxのDockerコンテナがダウンロードされ、稼働しているだろう。早速実際に動かしてみよう。今回はPanamaxが導入されているホストと同一ホスト上に、Panamaxを使ってMediaWikiを構築してみよう。まずは「http://localhost:3000」へブラウザでアクセスしてみる。以下のトップ画面が表示されるはずだ(図1)。
トップ画面では、テンプレートやDockerHubに登録されているDockerイメージの検索が可能である。今回はMediaWikiを構築するので、テンプレートの中から「Wiki」を選択する。テンプレートの「Wiki」を選択すると、適合するテンプレートとイメージの一覧が表示される。イメージを選択した場合はイメージからコンテナを立ち上げるのみで、そのままではサービスを利用することは出来ない。今回は、Panamax上からの操作で構築からサービスの稼働まで完結したいので、テンプレートを利用する。ここでは「MediaWiki 1.21 – NGINX and MySQL 5.5」を選択し、右側にある「Run Template」をクリックしよう(図2)。
後は自動的にDockerコンテナの構築が進行していく。画面上部に「The application was successfully created.」というメッセージが表示されれば、構築は完了である(図3)。
ポートフォワーディングの設定は重複を避けて自動で割り当てられるので、割り当てられたポートを使い接続を確認する。ミスがなければ、無事MediaWikiのサービスが利用可能になっているはずだ。後はMediaWikiのメッセージに従って設定を行えば、すぐに利用開始できる(図4)。この手軽さは、非常に嬉しい。
いかがだったろうか。非常に少ない構築ステップで、MediaWikiを利用開始できたことがおわかりいただけたと思う。Panamaxにあるテンプレートであれば、煩わしい設定やネットワークに頭を悩ませることなく、使いたいサービスが利用できる。しかもこれらのサービスはコンテナで実行されているため、不要になった場合にもPanamaxの管理画面からDeleteボタンを押すだけで、完全に削除することが可能である。
Panamaxの評価
DockerコンテナやDockerコマンドを意識することなく、ブラウザ上からワンボタンでWiki環境やWordPress環境が作成出来るのは非常に良い。
コンテナイメージはDockerHubから取得しているので、膨大な数が利用できるが、ワンボタンで環境構築まで出来るPanamaxテンプレートは、若干少ない気がする。今後Panamaxのコミュニティが増加し、活発になればテンプレートも増えていくことだろう。そうすればより一層使いやすく、便利になるだろう。Dockerコンテナのマネージメントのみの利用に限っても、見やすく使いやすいと感じられた。
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