デルに聞く真実の条件
ストレージの仮想化を実現する3つのポイント
ではストレージの仮想化を進めるにあたり「この3つのゴールを実現するためのテクノロジとして何が必要か」という問いに対するデルの回答は次の3つになる。
1つ目は「iSCSIプロトコル」だ。iSCSIプロトコルはSCSIをTCP/IPでカプセル化した技術であり、コネクションレイヤと通信の部分はすべてイーサネットとTCP/IPを使用している。アドレッシングもTCP/IPのIPアドレスのアドレッシングを使ってコミュニケーションされており、非常にダイナミックなアドレッシングを活用できるというメリットがある。これは専用のハードウェアと固定的なアドレッシングを用いるファイバーチャネルと大きく異なる点だ。
2つ目はスケールアップではなく「スケールアウト型のストレージアーキテクチャが必要である」という点だ。これはすなわちストレージの仮想化が必須であるということにつながる。
3つ目は「セルフチューニング=自立的自動最適化」機能である。これもストレージの仮想化によって実現できるポイントであり、変化し続ける環境に対してストレージ側も自動的に追従して対応していく環境を構築するということに他ならない。
すべてのポイントを備えた「PS5000」
これらの全てのポイントを抑えた製品としてデルが提供するのが「PS5000」だ。iSCSIによって接続可能なストレージで、1つのアレイに対して3つのアクティブな物理ポートを備え、さらに仮想IPアドレスによってポートを束ねて利用できる。さらに複数アレイにまたがった管理も可能だ。
仮想OS側からは仮想IPアドレスに対してI/Oの出力を行う。仮想IPアドレスではロードバランサのような役割を備えており、アクセスに対してその瞬間に一番処理が空いているストレージの物理ポートに対してリダイレクトをかけることが可能だ。つまり、仮想OS側では実際にアクセスする物理IPポートを知らなくても、一番処理効率の高いストレージポートに対してI/Oが自動的にリダイレクトされ、常に最高のパフォーマンスを得ることができる。
またストレージ内のデータは「ページ」というアーキテクチャを用いて、複数台のアレイにまたがって最適なレベルのRAID構成のエリアに配置される仕組みを備えている。これはスケールアウト型のアーキテクチャであると同時に、自立的自動最適化も可能としている。複数台のアレイを活用するメリットは、単にストレージのユーザブルが増えるだけでなく、コントローラが複数台になることでバンド幅やキャッシュも増加し、I/O性能も同時に担保できるのである。
さらに「PS5000」にはスナップショットやクローン、レプリケーションといったストレージに必要な機能を実装している。PS5000を導入することで、ストレージまで含めた仮想環境を構築し、「管理の簡素化」「リソースの有効活用」「投資対効果の向上」の3つのポイントを実現できるのである。