UGAIがわかれば仕組みがわかる!
データベースの設定
「UGAI」がそれぞれのデータをデータベースで管理します。現在サポートしているデータベースはSQLite、MySQL、Microsoft SQL Serverの3つです。
グリッドモードでは、MySQLがデフォルト設定になっています。MySQLの設定情報はbinディレクトリにあるmysql_connection.iniから読み取ります。OpenSim.iniと同じように、サンプルファイルのmysql_connection.ini.exampleをコピーしてから編集してください。
mysql_connection.iniには以下のような設定項目があります。[localhost]、[database]を自分の環境に合わせて設定します。
hostname=[localhost]
database=[database]
また、以下の項目についても[username]、[password]を設定します。
username=[username]
password=[password]
これで必要なテーブルが「UGAI」の各サーバー起動時に自動的に作成されます。
以上の設定で、グリッドモードでの起動準備ができました。早速各サーバーを起動して、接続して見ましよう(図3)。
グリッドモードでサービスの起動
「UGAI」の起動順序に特に制限はありませんが、リージョンサーバーが起動する時に、グリッドサーバーに登録するので、グリッドサーバーはリージョンサーバーより先に起動する必要があります。よって、「UGAI」を順に起動してから、最後にリージョンサーバーを起動してみましょう。
起動方法は前回紹介したOpenSim.exeの実行と同じで、Windowsでは実行ファイルをダブルクリックし、Linuxでは実行ファイルの前に「mono」を付けて実行します。
具体的には、ユーザーサーバーを起動するには、以下のコマンドを実行します。
mono OpenSim.Grid.UserServer.exe
同様にグリッドサーバー(OpenSim.Grid.GridServer.exe)、アセットサーバー(OpenSim.Grid.GridServer.exe)、インベントリサーバー(OpenSim.Grid.AssetServer.exe)を起動し、以下のように最後にリージョンサーバーを起動しましょう。
mono OpenSim.exe
なお「UGAI」を最初に起動する時に、リージョンサーバーと同じように設定に関するいくつかの質問がありますが、自分のPCだけで試すなら、すべてデフォルトの設定を使えば問題ありません。
スタンドアローンモードと違って、グリッドモードでは島の管理者アカウントを自動作成しないので、サーバーを全部起動できたら、ログインするユーザーアカウントを作成する必要があります。
アカウントを作成するには、ユーザーサーバーのコンソール画面から「User# :」のように表示されるところで「create user」を入力します。
User# :
create user
すると続けて、ユーザーのファーストネーム(First name)、ラストネーム(Last name)、パスワード(Password)、デフォルトのログインリージョン(Start Region X、Start Region Y)の位置を聞かれます。
なお、ここで入力するログインリージョンの位置は、bin/Region/default.xmlで設定したリージョンの位置「sim_location_x/y」と同じ値で設定してください。
次はここで設定したユーザー名でビューアからOpenSimに接続します。セカンドライフビューアを起動する時に以下のオプションを追加してください。
-loginuri http://127.0.0.1:8002/
8002はUserServerのデフォルトのポート番号です。
次回は、OpenSimのグリッドモードの動作仕組みを紹介し、アバターを仮想世界サービス間に転送する技術を紹介します。