CI/CD Conference開催、CI/CDをツールではなく原則の面から解説したセッションを紹介
2021年9月3日、CI/CDに特化したオンラインカンファレンスCI/CD Conference 2021が開催された。この記事では、ソフトバンク株式会社のエンジニア、高市智章氏のセッションを紹介する。これは「デプロイメントパイプラインの原理原則を再確認する」と題されたセッションで、ソフトウェア開発においていかに成果物を本番環境に配備するのか? に関して書籍などに紹介されている最適な方法などをベースに解説するものだ。また後半では自らの経験をベースとした「やってはいけないCI/CD」も紹介された。
セッションの動画:デプロイメントパイプラインの原理原則を再確認する
セッションで使用されたスライドは、以下から参照されたい。
なぜCI/CDが必要か
このセッションではCI/CDツールの紹介などは行わず、CI/CDを組織に導入する際に留意しておくべきこと、CI/CDを実装する際のステージの解説や、テストに関する考察などが中心となっている。
このスライドでは組織のパフォーマンスを上げるための要因として「ソフトウェアデリバリのパフォーマンス」が関連していると説明。つまり組織が業績を向上させようとするなら、利用するソフトウェアを素早く本番に配備できることが必要だということだ。
そしてソフトウェアデリバリを改善するためには、CI(継続的インテグレーション)とCD(継続的デリバリ)が必要だというのが高市氏の解説だ。
もしもCI/CDを導入しないとどうなるのか? これについては、具体的なソフトウェア開発で起こるであろうトラブルを例として紹介しながら、説明を行った。例えば、並列に開発された複数のコードが、メインとなるソースコードにマージされずに進み、最後の段階でマージされることで不整合が発生し、その解消に手間がかかることなどは、大規模プロジェクトでは往々に起こり得る話だろう。この辺りは実際に開発を行っているエンジニアにとっては経験があることではないだろうか。
またCI/CDのメリットについても言及し、単に自動化によって時間や労力のコストが削減されるだけではなく、小さな開発内容であっても継続的にコードをマージし、テストを行うことで常に動作するソフトウェアを維持できることに意味があるという。これはもしも何か不具合があっても、小さな変更ごとにマージとテストを行うことで「何が原因で動かないのか?」を容易に発見できることを意味している。
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