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連載 [第7回] :
  CI/CD Conference 2021レポート

CI/CD ConferenceからサイバーエージェントのCI/CDツール開発のセッションを紹介

2021年10月28日(木)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
CI/CD Conferenceから、サイバーエージェントが開発するCI及びCDのツールを紹介したセッションを取り上げる。

CI/CD Conferenceから、サイバーエージェントのエンジニアが解説するCI/CDツールのセッションを紹介する。セッションを担当したのはNakanishi Kento氏とLe Van Nghia氏だ。

セッションを行うNakanishi氏とNghia氏

セッションを行うNakanishi氏とNghia氏

このセッションは2部に分かれており、前半ではNakanishi氏がCIツールであるGitHub ActionsのSelf-hosted Runnerとして動作するMyshoesを解説している。また後半ではサイバーエージェントが開発を行うCDツールであるPipeCDについて、Nghia氏が解説している。

GitHub Actions

前半では、ベースとなっているGitHub Actionsを解説した。

一通り欲しい機能が揃っているというGitHub Actions

一通り欲しい機能が揃っているというGitHub Actions

GitHubが提供するCI/CDのツールであるGitHub Actionsは、2018年にGitHub Universe(GitHubの年次イベント)で発表されたサービスだ。ビルドやテストなどの実際の実行を受け持つのは、Runnerと呼ばれるプロセスだ。RunnerにはGitHubが運用管理するGitHub-hosted Runnerと、ユーザー自身が用意するSelf-hosted Runnerがあり、管理は必要なもののGitHub-hostedのものと比べて自由度が高いのがSelf-hostedとなる。

Self-hosted Runnerの解説

Self-hosted Runnerの解説

しかしSelf-hosted Runnerにはべき等性がないなどの欠点がある。それを解消するために開発されたのがMyshoesと呼ばれるツールで、オートスケーリングや各種パブリッククラウドのインフラストラクチャーに対応していることが特徴だという。

Myshoesの解説

Myshoesの解説

起動するたびに作成されるため、冪等性があり、複数のインフラストラクチャーをベースにしてイメージを作るなどのマトリックスも可能であると解説した。

Myshoes runnerの仕様を解説

Myshoes runnerの仕様を解説

GitHubからのトリガーをベースにして、各クラウド対応のProviderが仮想マシンベースのインスタンスを立ち上げてジョブを実行するという図式を説明したのが次のスライドだ。

ジョブが起動されるフローを解説

ジョブが起動されるフローを解説

内部の動作の説明として、AWSを例に挙げてRunnerの名前、セットアップスクリプト、利用するインスタンスのタイプなどがProvider経由でAWSのREST APIを使って実行されるまでを解説した。

AWSを例に起動されるまでを説明

AWSを例に起動されるまでを説明

Myshoes-runnerの今後の展望として、パブリッククラウドの安価なインスタンスを使いこなす可能性、OpenStackへの対応やGPUやFPGAなどの機械学習などに利用されるハードウェアへの対応などが構想の中であると語られた。

Myshoesのこれから

Myshoesのこれから

サイバーエージェントのCI事情

ここからはサイバーエージェントとしてのCIの状況について語られた。具体的には、サイバーエージェントが開発利用するプライベートクラウドCycloudの説明と、CIとしては各サービスを開発するグループがそれぞれそのビジネスやサービスの内容について最適と思われるソフトウェア、ツールを選択できるという背景が語られた。

サイバーエージェントのCI事情

サイバーエージェントのCI事情

GitHubのエンタープライズ版やGitLab、Jenkins、CircleCIなど、各種のCIツールを各グループが選択して使っていたことを紹介した。GitHub Actionsもベータの段階から試用していたという。

CircleCI EnterpriseからGitHub Actionsに移行した背景

CircleCI EnterpriseからGitHub Actionsに移行した背景

CircleCIの企業向けサービスからGitHub Actionsに移行した理由として、コストに対する意識が大きく関係したことを明かした。さらに、GitHubによるRunnerインスタンスを使わずに、Cycloudのインフラストラクチャーを利用することで、よりコストを下げることが可能であるという発見がMyshoesの開発の大きな理由だと語った。

Myshoesはサイバーエージェントのマネージドサービスとして利用されている

Myshoesはサイバーエージェントのマネージドサービスとして利用されている

マルチテナントとして実装されているマネージドのKubernetesクラスターに対して、myshoes-proxyがWebhookやREST APIなどのリクエストをベースに起動され、Stadiumと呼ばれる仮想マシンの中でジョブが実行される形だ。ジョブの部分をStadiumと呼ぶのは「ランナーが走る場所だから」というのは、いかにもITエンジニアらしいセンスだ。

Kubernetesの中から起動されたジョブはStadiumの中で実行される

Kubernetesの中から起動されたジョブはStadiumの中で実行される

またCycloudの中の非Kubernetesのワークロードであっても、Myshoesを通じて同じテナント内の仮想マシンと通信が可能になっているという点も、自社のさまざまなワークロードに対応することを重視する姿勢が現れていると言える。

Cycloudのユーザーからも利用できるMyshoes

Cycloudのユーザーからも利用できるMyshoes

基本的な仕様はGitHub-hostedのイメージとほぼ同じだが、GitHub-hostedでは選択できなかったCPUのコア数やメモリー数などを選択できるのが特徴だ。

GitHub-hosted Runnerよりも仮想マシンの構成に自由度がある

GitHub-hosted Runnerよりも仮想マシンの構成に自由度がある

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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