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連載 :
  インタビュー

「開発者ファースト」で組織の変革を支援するGitHub (前編)

2022年4月6日(水)
吉田 行男

GitHub Japanリージョナルセールスディレクターの山銅 章太さんに、お話を伺う機会がありました。今回はその前編として、2021年10月にオンライン開催された「GitHub Universe」で山銅さんが発表された内容をベースに、日本におけるGitHubを取り巻く状況を中心に紹介していきます。

GitHub Japanリージョナルセールスディレクター 山銅 章太さん

GitHub Japanリージョナルセールスディレクター 山銅 章太さん

GitHubの現状について教えてください

  • 山銅:現在、GitHubは世界最大規模の開発プラットフォームになっていて、7,300万人以上の開発者が参加しています。1年で1,600万人が増加し、2025年までに1億人を超えるのではないかと想定していますが、もう少し早く到達するかもしれないと思っています。また、1,000以上のオープンソースコミュニティ、Fortune100に入っている企業の84%がGitHubを利用しています。


    日本でも多くの企業に採用いただいておりますが、『GitHub Advanced Security』という通常のGitHubの機能にシークレットスキャニング、コードスキャニング、オープンソースの脆弱性検知などの機能が追加されているサービスをお使いいただいている企業と、そこまでの機能は必要ない企業とに分かれます。かつては、いわゆるゲーミングとインターネット企業と言われるような、例えばYahoo、GreeやCyberAgentなど、ビジネスのコアにアプリケーションを置いていたネット企業がユーザの8〜9割を占めていました。海外でもそのような傾向はありましたが、日本ではその傾向が顕著でした。

    しかし、この2年ぐらいでDXという言葉が合言葉となり、次のアフターデジタルに向けて新しいビジネスモデルのためにはソフトウェアを軸にして、ソフトウェアの開発力や開発スピードが会社の差別化につながるということが広がってきました。GitHubの事例でも公開していますが、日立製作所やウーブン・プラネット・ホールディングスのような製造業のほか、電力やガス、物流など自社でアプリ開発してこなかった企業が急拡大してメインの顧客になりつつあるという状況です。


    繰り返しになりますが、世界では7,300万人で28%増加、日本でも驚異的な数字で170万人です。もちろんすべてが企業ユーザではなく大学やフリーランスなども含めた数字で、コロナ禍になってからの伸びが激しくなっています。

    GitHubを利用するメリットの1つはコラボレーションです。チーム開発のためにコラボレーションを活性化するためのエッセンスが散りばめられたソフトウェアになっているので、特に地理的に分散されたチームにとって最適だったように思います。また、多くの企業でクラウドシフトが盛んに行われれていることもあり、クラウドを活用してネットがつながるところであれば、どんなデバイスでも作業できることが合致して、日本でも飛躍的に伸びたように思います。

    2021年10月に開催したイベント「GitHub Universe」では、『自動化』『コードの再利用』『ドキュメンテーションの重要性』の3つを紹介しました。

    まず『自動化』について、テストの自動化などによりコードの品質を担保する作業をマニュアルで行うことをやめた結果、新しいPull Requestのオープンからマージまでにかかる時間が33%減少しました。また、自動化されることによってPull Requestの数が36%増加しています。早くできるのであれば色々なアイデアを出してブラッシュアップしていく、ということのようです。


    また、GitHubからの助言でソフト変更時にレビュー担当者が多いと時間がかかるため、最大3名にとどめることを推奨しています。さらにレビュー担当者が一人増えるごとに生産性が17%下がるということも併せてお話しました。


    『コードの再利用』については、インターネット上で公開されているオープンソースだけではなく、企業内でも部門間でソースコードを共有し再利用することです。社内で実績のあるコードを再利用することで生産性が87%向上します。社内で開発したコードを社内利用に限ってオープンソースのように活用したり、メンテナンスしたりすることをインナーソースと言います。インナーソースについては、日本でも多くのお客さまから要望をいただいています。部門ごとにサイロ化した場所でコードを管理するのではなく、会社で標準の統一されたものを使い、コードの再利用を促進したいということです。公開している事例としては日立製作所やメルカリなどがあります。共通のものを使うメリット、特に開発ツールに関しては、他から学ぶことができる、他に貢献できるオープンソースと同じ環境や文化を社内に構築しましょう、ということをGitHubは強く提唱しています。


    最後の『ドキュメンテーションの重要性』については50%生産性が向上するという数字がありますが、OSSの場合は90%弱がREADMEを作っています。このREADMEには、どのように貢献するのか、マナーや役立っていることなど、参加を促すための説明書きがあります。きちんとドキュメンテーション化することでコントリビュータが増えたり、コミットが増えたりと、他の人に推奨することが増えていきます。これによりリポジトリが活性化してどんどんコミットされ、どんどん良いものになり、生産性が向上するという好循環が生まれています。


    一方、日本企業の場合は、企業内のプライベートリポジトリでREADMEを作るという文化はOSSほど活発ではありません。同じチーム内にいるのだから不要だろうということですが、これがインナーソースの活性化を阻んでいます。世界に公開しているわけではないので疎かになっている部分ですね。なので、あえて自分たちのプロジェクトのポリシーなどを列挙して書き出しておく、『ドキュメンテーションの重要性』についてお話しました。

    それ以外にも、GitHubがアイデアからデプロイまで、一貫したソフトウェアのフローを作るプラットフォームを提供する会社に変貌を遂げている、ということを示すための機能の一覧と説明も併せて「GitHub Universe」で紹介しました。
  • * * *

    後編では、GitHub Japanにおける日本国内でのビジネスの状況と今後について紹介します。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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