GaucheでCOOLなWebアプリ!
モジュールの利用
前回は、Webアプリケーションの機能拡張の前段階として、生産性を向上させるテンプレートエンジンを紹介しました。今回は、さっそくWebアプリケーションの機能を強化していきましょう。今回もソースコードがダウンロードできます(7451.zip/2.16KB)。
機能の強化にあたって、今までのように1つのファイルにすべてのコードを書いていては、ファイルが大きくなりメンテナンス性が悪くなります。また、他のプロジェクトでコードを再利用するのにも不便です。そのため、大抵のプログラム言語はモジュール化機能をサポートしています。
GaucheもPerlと似たモジュール機能をサポートしています。今まで作ったプログラムをサーバ(メイン)、テンプレートエンジン、アプリケーションの3つに分けてみましょう(リスト1~3)。
リスト1のサーバ(メイン)は、モジュール化されたapplication.scmを利用しますので、(add-load-path "./")でモジュールを探すパスにapplication.scmのあるカレントディレクトリを設定しています。
また、サーバのプログラムも多少変更しました。
(guard (e (else (socket-close ....でサーバ内でエラーが発生した際にsocketを閉じるような、例外処理を加えました。guardの詳細はリファレンスマニュアルを参照してください。
web-server関数の(reload-modified-modules)は、変更されたモジュールがあれば再読み込みする関数です。この関数をここに書くことで、application.scmを変更した場合にもサーバを再起動せずに、変更を次のリクエストから反映します。
また、render内で例外が発生した場合は、ブラウザにエラーページを表示できるように、ここにも例外処理(guard (e (else (report-error e) error-page ...を追加しました。
モジュールの作成
リスト2は、テンプレートエンジンをモジュール化したものです。モジュールの先頭は(define-module モジュール名...で始めます。define-moduleの中には、このモジュール内で利用するモジュールのuseに続き、このモジュールをuseしたプログラムから参照できるシンボル(関数名、変数名)をexportで指定します。
また、(select-module モジュール名)でこれから定義される関数などの所属するモジュールを指定します。コードの最後にある(provide "モジュール名")は、このモジュールをuseしたプログラムが、再度このモジュールをuseしても再読み込みしないように設定するものです。
テンプレートエンジン自体のコードは「第4回:Gaucheで超高生産性Webアプリ!(http://www.thinkit.co.jp/article/74/4/)」で紹介したものと同じです。