ここまでできる!標準ファイルサービス
リソースマネージャによるリソースの自動監視
ファイルサーバーを管理する上で、管理者のコストを増やす原因となっているのがリソースの監視だろう。常にファイルサーバーのディスク容量を把握し、不要なファイルを削除するとともに、無駄に大きな容量を占有しているユーザーに対して警告メールを送信するなどといった作業は、日々の管理業務の比較的大きな割合を占める。
Windows Server 2008には、こうした管理業務を効率的に行うためのツールとして「リソース マネージャ」が提供されている。名前こそインパクトはないが、提供される機能は運用管理にとって大変有用であり、従来管理者がスクリプトなどを使用して手作りで対応していたタスクの大部分は自動化することができる。
リソースマネージャの主な機能を以下に示す。
- クオータの一元管理とアラートメールの送信
- ユーザーが保存できるファイルの制限と監査(ファイル スクリーン)
- ディスクの使用状況やファイルへのアクセス状況のレポート作成
リソースマネージャを使用するには、「役割サービス」の中から「リソース マネージャ」を追加する必要がある。役割サービスを追加するには、図2-1の手順で「役割サービスの追加」ウィザードを起動して行う。
図2-1に示すオプションの設定により、システムの状態によってOSが自動的に記憶域レポートを生成するように構成することができる。
レポート生成の自動化
リソースマネージャのインストール後に登録される「ファイル サービス リソース マネージャ」ツールを使用すれば、レポート生成をスケジュールされたタスクとして登録することができるため、1日に1回レポート生成のためのコマンドを発行するなどといった面倒な手作業の必要がない。リソースマネージャによって生成することができる記憶域レポートは図2-2の通りである。
リソースマネージャによって生成された記憶域レポートは図2-3のように出力される。図2-3はDHTML形式で出力されたレポートであるが、レポートの出力形式は、DHTML/HTML/XML/CSV/テキストから選択することができる。レポート生成のために独自のアプリケーションを使用している場合などは、CSVファイル形式を選択すれば、従来のコードを大きく変更することなく運用を継続することができるだろう。