乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖
ボーンってなに!?インバース・キネマティックとは!?
インバース・キネマティック(IK)とは、日本語では「逆運動学」と訳され、終端となるオブジェクトの位置からそこに至るまでの各オブジェクトの位置を自動的に計算する手法です。この手法を用いることでクレーンや手足の関節の動きをリアルに、そして効率的に再現することができます。
例えば、手や足の動きを間接ごとにムービークリップに分け、アニメーションさせなければならない場合、各間接の動きに応じて、ほかの間接も動かさねばならず、非常に面倒な調整作業を繰り返すことになります。このような作業を自動計算してくれるのがIKの魅力です。
Flash CS4でこの機能を使うにはムービークリップかシェイプに、ツールバーに格納されているボーンツールを用いてIKボーンと呼ばれるパーツを埋め込んでいき、骨格を作っていきます。なにやら難しいと思われるかもしれませんが、比較的簡単に設定でき、シェイプに埋め込めこまれたボーンが自動計算され、シェイプがうねうねと動いているのを見ると、その機能のすばらしさに驚くはずです。
サンプルの動画(http://rd.67.org/test/kamo/Think_IT/20090120_new_feature_flashcs4/#flash_ik)では、ヘビをモチーフに骨格の動きを再現してみました。サンプルファイルもダウンロードできますので、参照ください。(799_2.zip/93.8 KB)。
インバース・キネマティックを試そう!
まず、ムービークリップにボーンを適用する方法から紹介します。
まず、ボーンの支点となるムービークリップと、その子であるムービークリップをそれぞれ配置し、ボーンツールでムービークリップにドラッグするようにして埋め込んでいきます。シェイプに適用する場合は、ムービークリップとは違い単一のシェイプに適用し、適用されたシェイプはIKシェイプとなります。
ボーンを適用すると、アーマチュアレイヤーと呼ばれる特別なレイヤーとなり、モーショントゥイーンやシェイプトゥイーンとはまったく別のものになります。アニメーションの適用方法はCS3までのモーショントゥイーンと同じように、フレームを追加し、変化を与えていきます。キーフレームは、自動で挿入される。ボーンを選択し、プロパティの「速度」を調整すれば、固定したり速度を速めたりすることもできます。「結合 → 回転」では、縦横比固定にチェックを入れ、パラメーターを調整することで回転する角度を制限します。
なおシェイプでは、形が崩れやすいため、別途バインドツールを使用して、個々のボーンとシェイプのコントロールポイントを編集します。これによって、各ボーンが動いたときに線がどのように歪曲(わいきょく)するのかを制御することで、崩れを最小限に抑えることができます。
アニメーションを与えることも可能だが、アーマチュアレイヤーを選択した状態で、プロパティパネルの「オプション → 種類」をオーサリング時から実行時に変更するとFlashPlayer上で再生されているときにドラッグでボーンを動かし、ムービークリップを追従させることができるようになります。特別な操作は一切不要です。これを利用すれば、例えばクレーンゲームが作れたりと、さまざまなものに応用が利くでしょう。
「オプション → スタイル」を変更すれば、ボーンの見た目を変えることもできます。制作時に適したものに変えると良いでしょう。IKは使い勝手が難しいかもしれませんが、いざというときに役立つツールと言えます。ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。