乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖

2009年1月23日(金)
加茂 雄亮

オブジェクトベースのモーショントゥイーンとは?

 Adobe Flash CS4は、今までのFlashアニメーション制作の根本を覆しかねない変更となるかもしれません。

 それはFlash CS4になって、モーショントゥイーンがオブジェクトベースになったことがその要因ですが、恐らく、多くのCS3以前のユーザーが戸惑うことになりそうです。しかし、この変更には多くのメリットが隠されています。その秘密を解き明かすのがモーションプリセットです。

 モーションプリセットには、デフォルトプリセットとして多くのモーションパターンが登録されていて、これをインスタンスに適用することで、モーションを付与することができるようになりました。そしてプリセットには、ユーザーが登録することももちろん可能です。つまり、モーションを保存することができ、使い回すことができるようになったのです。

 今まで、モーションとインスタンスは常に一体でした。CS3以前では、トゥイーンはキーフレームそのものに定義されていましたが、CS4では、オブジェクトベースになったことでこれらを切り離すことが可能になりました。これにより、モーションの使い回しが可能になります。しかし、それだけに変更も多いのも事実です。

 今回はモーショントゥイーンを定義する上で、重要なキーワードをまとめてみました。

新モーショントゥイーンを押さえる!5つの機能

 新しいモーショントゥイーンを紹介する上で、重要な機能は以下の5つになります(図1)。

・フレームスパン
・キーフレームとプロパティキーフレーム
・モーションパス
・モーションエディタ
・ロービング

 フレームスパンとは、キーフレームを1つ以上含んだ一連のトゥイーンのことを指します。CS3までは、トゥイーンを一度定義してしまうとトゥイーンにかかる時間を調節することが、非常に面倒でしたが、CS4からはフレームスパンの最後部を引っ張ることで、トゥイーンにかかる時間の長さを相対的に調節できるようになりました。

 今までのキーフレームとは変わり、いわゆるターゲットオブジェクトを含むキーフレームは、トゥイーンの先頭のみに配置され、プロパティの変更を定義するキーフレームはプロパティキーフレームとして各フレームに配置されます。つまり、プロパティキーフレームにはターゲットオブジェクトが一切含まれないため、削除してもターゲットオブジェクト自体がステージから消えることはありません。しかし、空のキーフレームはフレームスパンの先頭をのぞき、挿入することができず、空のキーフレームを挿入する際には、一度そのフレームスパンを区切り、新しいトゥイーンを定義する必要があります。

 モーションパスは、CS3以前で言うところのモーションガイドに該当します。基本的なトゥイーンの挙動は、ターゲットオブジェクトをドラッグすることで可能ですが、細かな動きに関してはステージ上のモーションパスを用いて制御することになります。このパスはベジェ曲線のため、Illustratorなどで描いたものをFlashに持ち込むということも可能です。

 モーションエディタとは、キーフレームにおける各プロパティ・イーズの制御をつかさどるエディタです。モーションパスを描かなくても、モーションエディタのみでトゥイーンを作成することも可能です。かなり細かく調整できるため、一見分かりづらく、習得には時間がかかってしまうかもしれませんが、その価値は十分にあると言えるでしょう。

 トゥイーンオブジェクトを別フレームの別の位置にドラッグしてステージ上のモーションパスを編集した場合に、モーションがほかのセグメント(部分)よりも速い、または遅いパスセグメント(プロパティキーフレーム間)が作成されることがあります。これは、パスセグメント内のフレーム数がほかのセグメントよりも多い、または少ないためにおこるのですが、ロービングを行うことでトゥイーン全体でアニメーションの速度を統一することができる。

  • 「乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖」サンプルプログラム(1)

  • 「乗り換え必須!Flash CS4新機能徹底解剖」サンプルプログラム(2)

株式会社ロクナナ
ActionScriptを伴うFlashコンテンツやXHTML+CSS+JavaScriptによるAjaxコンテンツなどのRIA開発に従事。Flash/ActionScript 3.0やXHTML+CSSに関する講義・執筆活動にも取り組んでいる。http://www.rokunana.com/

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