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Flashの新機能、IKって何?

2008年12月24日(水)
林 拓也

IKとは

 IK(インバース・キネマティック)は、3Dグラフィック系のアプリケーションではおなじみの機能ですが、Web制作やFlashコンテンツ制作をメインとしているクリエイターにとってはあまりピンとこないのではないでしょうか。今回は、機能の概要と基本的な設定方法について確認していきます。

 IKの代表的な用途としては、ボーンを追加して関節状の動きが作れることです。例えば、上腕、前腕、手に相当するムービークリップインスタンスを配置し、ひじや手首の関節の動きを作ることを考えてみます。

 ボーンは「ボーンツール」を使い、上腕と前腕のインスタンスそれぞれに文字通り「骨」を通すように順番に接続し追加していきます(図1-1)。ボーンに関連付けられたインスタンスは、ボーンの端を軸として回転させることができます(図1-2)。

 IK(inverse kinematics)は直訳すると「逆運動学」となります。「運動学」はともかく何が「逆」なのでしょうか。

 IKを使わないで腕の動作を設定する場合、動作の中心である上腕の動作を設定し、順に前腕、手を設定するという流れで進むのが自然です。IKを使うと末端の手を動かすことで連動して上腕、前腕も連動して動くようになります。つまり、末端(子)の動作を先に決めて、親に当たるオブジェクトの動作を逆計算するという意味があります。ある程度複雑な動作を設定する場合には、IKを使うことで自然なアニメーションが容易に作成できます。

 ボーンの連結構造は、最初に作成したボーンを「ルートボーン」と呼ぶツリー構造になります。ボーンの尾部に子となるボーンを追加していくことで親子の関係になります。ボーンのツリー構造は「アーマチュア」と呼ばれ、アーマチュアおよび関連付けられたインスタンスは「ポーズレイヤー」と呼ばれるレイヤーに配置され管理されます(図1-3)。

 なお、IKを使う場合には、FlashドキュメントのActionScriptのバージョンがActionScript 3.0である必要があります。

IKの適用とボーンの設定

 IKは、オーサリング時か実行時のどちらかに適用できます。この設定はポーズレイヤーを選択した状態でプロパティインスペクタで設定できます。IKをオーサリング時に適用した場合は、タイムラインアニメーションを作成する際のキーとなるフレームをポーズレイヤーに作成することができます。

 なお、ポーズレイヤーのタイムラインアニメーションは、モーショントゥイーンともクラシックトゥイーンとも異なるものになっています(図1-4)。

 IKを実行時に適用した場合は、Flash Playerでの実行時にドラッグして動作させることができます(図1-5)。この場合、オーサリング時には先頭以外のフレームでポーズを設定することはできません。

 ボーンの動作には制限をつけることもできます。例えば、腕の動作だと、ひじ関節は反対方向に回ってはおかしいので、角度の制限を指定するといったことができます。ボーンの回転範囲地を設定するには、ボーンを選択してプロパティインスペクタを開きます。「結合:回転」内の「縦横比を固定」にチェックを入れ、「最小」と「最大」の角度を設定します(図1-6)。

 角度の範囲を設定するとステージ上に可動範囲が表示されます。なお、ボーンの動作制限はボーンの頭部の動作について適用されます(図1-7)。腕の例では、上腕と前腕にボーンを通して、上腕、前腕、手のムービークリップインスタンスを関連付けています。手首の関節にはボーンの頭部がないのでこのままでは手首の動作制限が設定できません。このような場合、ダミーインスタンスを追加し、手からダミーインスタンスにボーンを通すことで、手首の動作制限用のボーンを追加できます。

 今回は、インスタンスへの設定の基本的な部分について紹介しました。このほか、特筆すべき機能として、シェイプにもボーンが設定できる点が挙げられます。ボーンを追加されたシェイプは、ボーンを動かすとそれに合わせて変形します(図1-8)。ハンドリングが難しい部分はありますが、シェイプトゥイーンでは難しいシェイプ変形のアニメーションを作成する可能性を提供してくれます。

 次回は、単にサウンドファイルの作成だけにとどまらないアプリケーション、「SoundBooth」について紹介します。

Flash オーサリングエンジニア,アドビ認定インストラクター,ロクナナワークショップ講師。各種Webコンテンツ制作や,少人数ハンズオントレーニングから大規模なセミナー講師など幅広く活躍中。各種学校のカリキュラム・教材製作をはじめ,ActionScriptに関する書籍も多数執筆。http://67.org/ws/instructor/hayashi.html

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