2008年のGoogleを振り返る!
Googleの2008年のトピックスは?
今回は「2008年のGoogleを振り返る!」と題して、2008年のGoogleに関するトピックスを振り返りつつ、今後注目したいポイントを紹介したいと思います。
図1に2008年のトピックスを時系列にまとめてみました。トピックスをざっと眺めてみると、3つの傾向が見えてきます。
1つ目は、「プロモーション活動」です。著名なアーティストたちとコラボレーションしたアーティストiGoogleや、開発者向けの世界規模でのイベントGoogle Developer Day、非Googleユーザーにアプローチした池袋駅での広告展開などが挙げられます。
2つ目は、「ユーザーごとのカスタマイズ」です。iGoogleのテーマディレクトリやGoogleドキュメントのテンプレート機能、Gmailのテーマ機能など、ユーザーが自分好みのインターフェースでアプリケーションを利用できるようになりました。シンプルなインターフェースがGoogleの売りでしたが、より多くのユーザーに訴求するためにテーマの充実を図ろうとしているようです。
3つ目は、「多言語対応」です。それは、Googlde codeで、APIの技術解説がいろいろな言語で展開されるにとどまらず、Googleの検索結果でユーザーの設定言語に翻訳されたページへリンクさせたり、Google Readerではフィードを自動的に翻訳して読むことができるようにもなりました。翻訳の精度がそれほど高くないため、実用レベルまでは達していないませんが、今後翻訳がより改善されれば、英語だけでなくイタリア語、スペイン語で書かれているユーザーのブログを、まるでもともと日本語で書かれているかのように読むことができるかもしれません。
ではこれらの話題の中から、いくつかに絞ってもう少し内容を振り返っていきましょう。
Google Developer Day 2008開催
Googleが開発者向けに開催したイベント「Google Developer Day(以下GDD)2008(http://code.google.com/intl/ja/events/developerday/2008/home.html)」の基調講演の中で発表されたGoogleが力を入れているという4つの「C」が、「Cloud」「Client」「Connectivity」「Community」でした。
「Cloud」「Client」「Connectivity」は、それぞれGoogle App Engine、Gears、Androidに対応した言葉になります。
2007年のGDDでは、マップレットやGearsが当日に発表され、かなりのサプライズになりました。2008年のGDDでは、当日のサプライズはなかったものの、その少し前に発表されていたGoogle Maps API for Flashなどの詳細な解説やApp Engine、Android、OpenSocialなどのHands on セッションが盛り込まれ、より開発者が楽しめるイベントになっていました。
また、印象的だったのは、Googleが4つ目の「C」として「Community」を挙げていたことです。これまで、APIは数多く提供するものの、日本では開発者コミュニティーに対しての積極的なアプローチがなかったので、どうしてもアメリカの後追いになっている感がありましたが、Googleが開発者コミュニティーをサポートすることにより、OpenSocialやApp Engine、Androidの日本での普及を促進しようという考えのようでした。
特にAndroidについては、日本は携帯電話大国であり、ネットへのアクセスもPCから携帯電話に徐々にシフトしてきているので、ここのプラットフォームを押さえることをとても重要視しているような印象を受けました。イベントが開催された6月以降、ClientとしてGoogle製のブラウザGoogle Chromeがリリースされたり、Androidを搭載した実機が登場したりと、4つの「C」で掲げていたそれぞれのフィールドでいくつか進展がありました。