AdapterパターンとBridgeパターン
設計者の異なる(インターフェースが異なる)複数のクラスを利用したい場合があります。そのときに、規定しているインターフェースと自分の使用したいクラスのインターフェースがずれていることがあります。
この場合に、ずれたインターフェースにかかわる部分をすべて修正できるでしょうか?これは困難を伴うことが予測されます。
このような場合には、2つのクラスをAdapterクラスではさむことで、既存のクラスに修正を加えずに利用することが可能になります。あるクラスにAdapterをかぶせて別のインターフェースで使用することが簡単に実現できるのです。
深いクラス階層は、利用しがたい?
続いてBridgeパターンの説明をしますが、その前にクラス構造の拡張性と利用性について考えてみます。
クラスを設計するとき、深く階層化されたクラス構造は一見すると秩序正しく機能ごとに統制が行き届き、拡張もしやすいような感じを覚えます。しかし、それは本当にユーザーにとって利用しやすく、また拡張性に富んでいるでしょうか?
一般的には、深いクラス階層構造は内容を把握するのに時間がかかり、階層が深くなるほどメンテナンス性は落ちるものです。
例えば、初期のデータアクセスオブジェクト(DAO:Data Access Object)の階層構造は深く、利用したいコレクション・オブジェクトを利用するのが大変でした。現在利用されているものはどうでしょうか?機能と実装が整理され、フラットな階層設計になるように進化しています。
ユーザーにとって利用しやすいものにするため、またはメンテナンス性の向上のためにクラスそのものを大きく見直す場合、可能な限りフラットな階層に設計を置き換える場合もあるでしょう。そうなると、クラスの設計全体を大きく書き直す必要性があっても、すでに利用されているものに手を加えるというリスクが生じます。そのため、新しいクラスの再設計を余儀なくされることが十分考えられます。
それでは、実際に次の階層クラスで起こりえる問題点を考えてみましょう。