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見える化
見える化とは何か〜改めて問うその真価

第2回:人の頭の中味を「見える化」する
著者:チェンジビジョン  山崎 知恵   2006/11/7
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出展のふりかえりのためのMind Map

   最後に、出展後のふりかえりのMind Map(図4)を元に、イベント出展というプロジェクトのふりかえりを試みる。
出展のふりかえり Mind Map
図4:出展のふりかえり Mind Map
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ふりかえりは、出展に参加した全員が集まって期間中に感じたことや考えたことをMind Mapにしていく。まずは出展の目的をもう一度見直し、目的が達成されたかどうかを確認して、それぞれが良かった点や問題点を次回出展に向けてのポイントを書いていく。

   このMind Mapでは問題点の枝につなげて、それに対する改善案を書いている。次回出展に向けての枝と重なる部分もあるが、問題点から直結した内容か、今後のイベント出展で考えるべき大きな方針になるかで分けることができる。


Mind Mapの更なる活用

   図1〜4で示したように各段階に応じたMind Mapを作成しておくことで、チームにとって出展という1つの作業のひな型ができる。また同様のプロジェクトが始動したときには、このひな型を応用して新たなMind Mapを作ることで、準備もフォローも流れにそって進めることができるだろう。

   なお、Mind Mapはグループでのアイデア共有に役立ち、作成する場に立ち会った人にはわかりやすく便利なツールであるが、まったくその場に関与していない人に見せた場合は、単語の羅列になる可能性がある。打ち合せに参加していない人にも活用させたい場合は、Mind Mapをそのまま渡すのではなく、テキストにしたり、枝のキーワードをつなげて短い文章にしたりといった工夫が必要になる。

   あらゆるプロジェクトにおいて誤解や思い込みが発生する要因の1つは、その場にいる参加者の考えが見えない状態で話をすることにある。プロジェクトにはすべて期限があり、担当があり、製品の出荷や売上向上を目的としているが、実は個人個人でばらばらに考えて行動していることも多い。

   今回はイベント出展を例に、Mind Mapを利用してチームで仕事をする際の思考の「見える化」を実践してみた。プロジェクトに関わるすべての人の思いや考えが見えることで、誰もが動きやすい環境づくりに役立つのではないかと考える。

   プロジェクトとは何らかの問題をチームで解決することであり、メンバーが共通のゴールを目に見える形で認識し、それに向かう行動を生み出してはじめて、見える化を実現できたといえるのである。

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株式会社チェンジビジョン 山崎 知恵
著者プロフィール
株式会社チェンジビジョン   山崎 知恵
UMLモデリングツール「JUDE」、プロジェクト管理ツール「TRICHORD」のマーケティングを担当。コミュニティサイトの運営や、イベントの企画・開催を通じて、ユーザーと開発者との対話を促す場の創出に努める。


INDEX
第2回:人の頭の中味を「見える化」する
  「見える化」の目的
  準備物の対応のためのMind Map
出展のふりかえりのためのMind Map