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| ERPの動向 | ||||||||||
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すでに大企業のほとんどがERP導入の検討・実行を経験したことがあるといわれており、現在では導入経験済みの企業における既存システムのリプレースや、これまであまりERPが普及していなかった中小企業の導入が中心となりつつあります。こうした動きの背景には表2のような事情が存在します。
表2:昨今のERP業界の背景 コンピュータの性能向上と価格低下は大きな影響をおよぼしました。以前は高価な大型計算機に頼らざるを得なかったERPにおいても、PCを用いたソリューションが一般的になり、これまでコストが障壁となって導入をためらっていた中小企業でも、ERPによる業務の効率化を行えるようになりました。そのため、ERPベンダー各社は中小企業を新たな市場と位置づけ、営業活動が盛んになっています。 しかしそれ以上に、従来にはなかった機能の実現やユーザにより適したソリューションを提供する新しいERPソフトウェアが登場してきたことの方が興味深いのではないでしょうか。表3はERPをめぐる最近の動向です。
表3:ERPにおける最近の動向 まず、新機能としてCMSやeビジネスのような、数年前までは独立したソフトウェアとして導入することの多かった機能が、ERP自体に統合されていることがあげられます。それはなぜでしょうか。 例えば、オンラインショップを考えてみてください。販売するには製品情報、価格表、在庫情報が必要ですし、販売後には販売実績や会計システムへのデータ登録が必要です。ERPを導入している企業では、ERPシステムとオンラインショップが緊密に連携しなくてはなりません。 さもなければ、ERPシステム上での価格変更がオンラインショップに反映されなかったり、オンラインショップの売上げとERP内の経理情報との不一致が起きてしまうでしょう。このような事態を阻止するには、ERP自身がeビジネスの機能を提供することがもっとも理に適っていることになります。 また、WebシステムとしてERPが提供されることが多くなりました。以前のような専用アプリケーションでしかアクセスできない方式では、社員のコンピュータすべてに専用ソフトウェアを導入する必要があり、アップグレードの際には再び膨大な時間を費してインストール作業を繰り返さねばなりませんでした。しかも、ベンダーがサポートしていない環境では利用できないため、携帯電話のような移動端末の活用が困難でした。 しかしWebブラウザからアクセスできるのであれば、あらゆる環境からシステムを利用できます。ほとんどのコンピュータには標準でWebブラウザがインストールされているため、システム管理のコストも大幅に削減されます。 もっとも注目すべきは、オープンソースへの動きが活発になっていることでしょう。すでにWebサーバやデータベースサーバなどの領域では、ApacheやMySQLなどオープンソースソフトウェアの利用が普及していますが、ERPでもそうした動きが強まってきたのです。有名なオープンソースERPとしては、ERP5、Compiere、TinyERPなどがあり、現在世界中で広まっており次世代のERPとして期待されています。 その背景には、従来型ビジネスへのユーザからの不満が大きいことがあります。しばりの厳しいライセンス協定のためにユーザがアップグレードを余儀なくされたり、不公正な価格設定に悩まされたり、十分に自社向けのカスタマイズを実施できなかったりしたからです。 オープンソースソフトウェアはこうした問題点を解決し、ユーザ側の視点に立ったビジネスモデルとして今大いに注目されています。詳細は次回以降に掘り下げていきます。 |
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