おそらく読者の皆さんでグループウェア製品をすでに導入されている企業も多いかと思う。ノークリサーチの「中堅・中小企業のITアプリケーションの利用実態調査」によると、現在グループウェアは、63.9%と約6割強の企業で導入されており、他のシステムと比較して導入率が非常に高い(詳しくは連載「中堅・中小企業におけるグループウェアの利用実態」の第1回「グループウェアを使い切っていない中堅・中小企業」を参照)。
図1:中堅・中小企業のITアプリケーションの利用実態調査
十数年ほど前にはIBMの「Lotus Notes」やマイクロソフトの「Microsoft Exchange」など非常に高額なクライアントサーバ型のグループウェア製品(注1)が多かった。しかしここ数年で「サイボウズ」をはじめとする手軽に導入できるWeb型グループウェア(注2)の普及が中小企業の中で進み、これが現在の導入率の高さにつながっているといえるだろう。
注1:
利用するユーザのPC1台1台にクライアントソフトウェアをインストールして使用する。個々のPCへのインストール作業や環境統一の手間がかかる反面、リッチな機能を搭載することができるなどのメリットがある。
注2:
ネットワーク上のPCからサーバにアクセスして利用する。クライアントサーバ型と異なり、ユーザのPCにはWebブラウザだけがあれば利用可能となる。Webブラウザを利用するため操作に制限される部分もあるが、導入やバージョンアップの作業に手間がかからず、比較的安価で販売されている。
実際、ノークリサーチの「2006年中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態調査報告」によると、グループウェア市場ではIBM社の「ロータス・ノーツ」が29.3%とシェアトップを記録し、2位がサイボウズ社の「サイボウズ Office/サイボウズ ガルーン」で24.6%、3位がマイクロソフト社の「Microsoft Exchange」で12.1%となっている。1997年に発売開始したサイボウズ社のWeb型グループウェア製品は、非常に早いスピードで導入が進んでいる(詳しくは連載「中堅・中小企業におけるグループウェアの利用実態」の第2回「SMBにおける「Lotus Notes vs サイボウズ」の攻防戦」を参照)。
図2:グループウェアパッケージのシェア(2002〜2006年) (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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