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サーバとはなにか
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サーバとはそもそも何なのでしょうか。サーバといっても、皆さんが普段使っているコンピュータと変わりありません。何が違うのかといえば、サービスを提供する側なのか受ける側なのかにあります。今、この文章を読んでいる皆さんのコンピュータは、サーバではなくクライアントと呼ばれ(Webコンテンツを表示・閲覧する)、サービスを「受ける側」のものです。これに対しサーバとは、サービスを「提供する側」のコンピュータのことを指します。
一口にサーバと言っても様々なものがあり、各種サーバソフトウェアによってサービスが提供されます。WebサーバはWebコンテンツを配信するサービスを提供し、メールサーバはメールの送受信のサービスを提供します。私たちが普段当たり前のように使っているサービスは、サーバがあってはじめて受けられるのです。
本連載では「サーバを自分で構築してみよう」というサーバのビギナーのために、3回に渡って、サーバ構築に有用なCentOSというLinuxについて紹介していきます。基本編は、あくまでもサーバを構築するまでの、準備段階とお考えください。なお各種サーバを構築する部分を、より深く追求する内容は応用編をご参照ください。
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CentOSはどのようにして生まれたのか
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ここで、CentOSの歴史を簡単に紹介します。CentOSとはLinuxディストリビューションの1つで、商用ディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linux(以下、RHEL)との互換性を目指したものです。名称の語源は、「Community ENTerprise Operating System」です。
Red Hat社が無償でも使えるRed Hat Linuxの開発を中止し、有償のみのRHELの開発に力を注ぐようになったことで、これまでRed Hat Linuxを使っていたユーザは大きな影響を受けました。しかし、各所でいくつかのプロジェクトが立ち上がり、Red Hat Linuxの代替として、独自のディストリビューションが誕生していったのです。
これらは「RHELクローン」と呼ばれ、代表的なものに「Whitebox Linux」や「Scientfic Linux」などがあります。CentOSもRHELクローンの1つで「The CentOS Project」によって開発されました。なおCentOSは無償で入手・利用することができます。
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インストールの下準備
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では、実際にCentOSをインストールしてみましょう。CentOSの入手方法はいくつかありますが、下記のサイトからイメージファイルをダウンロードして自分でCDメディアを作成する方法や、雑誌・書籍の付録のCD-ROM/DVD-ROMを使用する方法が主となります。
最新版のバージョンは5.0(6月1日現在)ですが、それまでのver4.xとver5とでは若干性格が異なっています。Ver.4.xまでは、RHELのコピー(ロゴなどの商標は差し替えてある)でしたが、Ver.5になり、RHELのコピーに加えて独自性を持たせたものとなっています。
今回はVer.4.3を使用して説明していきますが、Ver.5については別の機会があれば、そこで紹介します。
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インストール作業
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ここからは実際の画面遷移と共に、作業手順の解説をしていきます。
ディスクをCDドライブに入れた状態で電源を入れてしばらく待つと、図1のような画面が出てきます。インストーラには、グラフィカルモードとテキストモードの2種類あります。ここではグラフィカルモードで作業を進めていきます。

図1:TOP画面 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
「boot:」と表示されたら何も入力せずにEnterキーを押せば、グラフィカルモードのインストーラが起動します。
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CDメディアのチェック
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はじめて使用するCDメディアの場合は「OK」を選択します。これは不完全なCDメディアだった場合、インストール途中で原因不明のエラーで中断する事態になる可能性があるからです。今回は「Skip」を選択し、次の画面へ進みます。

図2:CD Found (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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言語の選択〜キーボードの設定
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共に「Japanese(日本語)」を選択してください。
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著者プロフィール
株式会社オープンドリーム 小山 健二
トレーナー 私立校の数学教師、教育事務を経て、この世界へ入り込むという異色の経歴の持ち主。教師と教育事務で培った教育観を技術教育の場に還元し、「とりあえずやってみようか?」の社風の下、仕事を仕事と思わないくらいに、のびのびと研究・開発そしてメインの教育事業に従事している。今のマイブームはRuby on RailsとJava。ソースコードの量が両極端な二者間で大いに揺れている。
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