キーワードを軸とした要件定義

2010年9月13日(月)
安治 理之

要件定義キーワード3

契約内容確認

請負契約、委任契約、SES(System Engineering Service)契約など、どのタイプの契約で作業するのかを確認します。また、「(開発プロジェクトの)成果物として何を納品する契約なのか」を確認します。アプリケーションだけなのか、HW/NWまで含むのか、運用サポートは提供するのか、など、開発範囲の確認を行います。

スケジューリング

「どれだけの要員を投入し、いつまでに完了を予定するのか」をスケジューリングします。プロジェクトによっては、1次リリース、2次リリースなどの分割リリースの検討も必要になります。開発の進ちょくが遅れるリスクが生じた場合、テストなどが不十分な状態でのリリースは、さらに大きな課題となる可能性があります。このため、関係者間でよく協議を行い、再スケジューリングを含めて検討します。

リスク管理

議事録を確認します。要件定義書を確認します。課題管理を共有します。これらの作業により、進ちょく状況や課題をユーザー企業と共有します。再スケジュールなどのような大きな変更の前には、関係者間で、ある程度のコミットメントが存在している必要があります。こうした状況を保つことで、課題への対応が速やかに進む効果が期待できます。

情報共有と、より良い手法の積極的な取り入れ

アンテナを張って、常に情報を収集します。より良い手法を、常に取り入れていきます。こうした姿勢を保つことで、トラブルの芽を未然に防ぎ、素早く対処できるようになります。

図3: プロジェクト管理者(プロジェクト全体向け)のキーワード

おわりに

プロジェクト管理者は「ユーザー企業の要求をかなえる」というゴールに向かって、さまざまな手段を考案し、関係各所と調整し、すべての関係者にとっての成功を導くことを求められます。極めて難しい状況に直面することも、決して少なくはありません。

本記事が、わずかながらでもプロジェクト管理者の手助けになれれば、と願っています。

株式会社システムインテグレータ ECソリューション部

いつも支援してくださるお客様や、メンバーの皆様に感謝しつつ、日々の業務に勤しむSE。データベースを中心としたフルクラッチ開発を主軸にリーダー業務を数年経験後、ERPを経由し、近年はEC開発プロジェクトを主管。リーダー経験は10年前後。

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