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リスクを先読みしたプロジェクト管理

2010年9月27日(月)
高橋 和也

リスク管理はプロジェクト管理に不可欠

システムを開発していく中で、要件定義からシステム・リリースまでの間には、さまざまな問題・課題が発生します。プロジェクト・リーダー(PL)は、これらの問題・課題が発生した場合、解決に向けた方向性を速やかに打ち出し、スケジュール遅延などのリスクを回避しなければなりません。

少し話はそれますが、筆者の趣味である将棋も、リスク管理に通じています。将棋には、さまざまな戦法があります。将棋の勝負においては、中盤の駆け引きや終盤の追い込みといった重要な局面では、その場その場で対処方法を考えていては、なかなか打ち勝てません。こうした場面では「先読みする力」が有効です。

プロジェクト管理も、将棋と同様、先読みする力が重要です。「先読みする力はリスク管理に通じる」と筆者は考えています。では、実際にリスク管理を実践していく中で、どのように先読みをしていけばいいのでしょうか。

想定できるリスクを避けて、プロジェクトを成功に導く

リスク管理とは「事前にリスクを考え、そのリスクを避けていくことによって、プロジェクトを成功に導くこと」です。PMBOK(Project Management Body of Knowledge)でも、リスク管理はナレッジ・エリアの1つとして定義されています。プロジェクト管理の中でも、重要視されるべき項目です。

ただし、リスク管理が重要であると頭では分かっていても、リスクを常に意識して行動することが難しいのも事実です。実際、プロジェクトを進めていくうちに、予想もしなかったさまざまな問題が発生してしまいます。こうした問題に、逐次対処しているのが現実です。しかし、この事態は、すでにリスク管理ができていないことを示しています。

それでは、どうすればリスク管理を実現できるのでしょうか。リスク管理にはまず、リスクを洗い出すことが先決です。以下では、リスクを洗い出すうえで筆者が意識している点をいくつか紹介します。

リスクを洗い出す

リスクを洗い出すうえで陥りやすい過ちは、プロジェクト・リーダーが1人でリスクを洗い出してしまうことです。これは大きな間違いです。

リスクを洗い出さなければならない範囲は、非常に膨大です。さらに、リスクをさまざまな視点で捉える必要もあります。このため、できるだけ多くの担当者がリスクの洗い出し作業に従事すべきです。

該当するプロジェクトのメンバー全員に加え、プロジェクト・リーダー経験が豊富なエンジニアを会議に参加させ、徹底的にリスクを洗い出すことが重要です。参考にすべきリスク管理のテンプレートがある場合、過去の経験として非常に役立ちます。

洗い出しの実際は、ユーザーが提示したRFP(Request For Proposal、提案依頼書)や、現行システムの資料をベースにします。これらを使って、テーマを決めてみんなで意見を出し合います。こうしたブレイン・ストーミングが適しています。

ブレイン・ストーミングの際には、意見はすべて取り入れます。他人の意見に反論しない姿勢が重要です。

そして、リスク1つ1つを深堀りしていくために、以下のようなポイントを、全員で一緒に洗い出していきます。

  • どの工程、タイミングで発生しうるリスクなのか(スケジュールとのヒモ付け)
  • リスクを回避するために、どういった対策が必要なのか

その後、洗い出されたリスクを整理します。これが、プロジェクト・リーダーとして行うべき作業なのです。

リスクによって、影響度や発生確率が異なります。基本的に、すべてのリスクに対して対策を行う必要がありますが、特に影響度や発生確率が高いリスクに対しては、優先度を付けて早い段階で回避するように手を打つ必要があります。

SI Object Browser PM」のようなプロジェクト管理ツールを使っているのであれば、ツールの中で、各リスクに対して影響度や発生確率、対応難易度、対応期限などを設定します。

リスクの洗い出し作業は、プロジェクトの開始時だけではなく、設計、製造、テストなど、各フェーズの開始時にも実施すべきです。プロジェクトの開始時には気付かなかったリスクに後から気付くかもしれません。重要なのは、常に先読みする姿勢です。

図1: SI Object Browser PMのリスク管理画面(クリックで拡大)
株式会社システムインテグレータ

株式会社システムインテグレータ社員。現在はECサイト構築パッケージであるSI Web Shoppingのカスタマイズ案件にプロジェクトリーダーとして携わっています。
趣味は将棋。根っからの振り飛車党です。

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