効果を出すロジカルコンテンツを決める
Web構築に重要なポイントをマスターしよう
今回は、モチベーション別サイト構築(MTO)を実装するにあたって、成功するWebサイトの構築手法と前回(http://www.thinkit.co.jp/article/114/1/)のアンケートやログ解析を用いて、どのようにWebサイトを構築するのかを説明します。
まずはじめに、成功するWebサイトを構築するためのワークフローを紹介します。
一般的なWebサイト構築手法は、クライアントの要望や問題点をヒアリングして、いきなりワイヤーフレーム(Webサイト画面設計図)を作成するパターンが多く、ある程度の規模のWebサイトとなると「制作途中で構造に矛盾点が出た」「グローバルナビに入れるコンテンツが変わった」「どのコンテンツにどんな効果を出すのか不明になった」「公開日が延びた」「デザイン、コーディングの時間が予定より短縮された」「メンバーがいつがんばって、いつ休息するのかわからず疲弊した」「皆のモチベーションが低下した」「妥協ポイントを考えてしまった」というような問題がよく起こります。
このような問題は、司令塔であるプロデューサースキルとワークフローに原因があります。人的な問題であればサポートスタッフがプロジェクトに入ることで解決します。しかし、大規模サイトを構築する上で、構築ワークフローのノウハウが存在しなければ、場当たり的で俗人的になり、プロジェクトの成功度が低くなるのです。
今回紹介するのは、たとえ構築ワークフローのノウハウがなくてもプロジェクトを成功させる簡単な方法です。それは、PMBOKの知識体系にあるWBS(Work Breakdown Structure)になります。プロジェクトにどんな問題やリスクがあるのか、どこががんばりどきであるのか、どこが最も困難なのかを洗い出すことで、成功へのロードマップができます。
成功するWebサイトを構築するためのワークフローを見る
Webサイトを構築する際に図1のようなワークフローで構築していきます。
最近では非常に見慣れた図かもしれませんが、その中身がそれぞれ有機的につながるようにプロジェクトを進行し、各フェーズでアウトプットを決め、ドキュメント化するのが重要なポイントになります。
戦略フェーズで有機的に機能させる重要なことは、設計フェーズでIA(インフォメーションアーキテクト)が正確に設計をするための前準備をすることです。例として「ターゲットユーザー」「ユーザーニーズ」「ユーザーシナリオ」「コンテンツ内容」などが挙げられます。こちらは次ページで詳しく説明いたします。
設計フェーズで有機的に機能させる重要なのは、「構築フェーズで作り直しをなくすために、十分に話し合った内容をワイヤーフレームに落とし込むこと」と「制作者にわかりやすい構造設計書を作成すること」です。
構築フェーズは、上記の戦略・設計フェーズの内容が必要十分であれば必ずうまくプロジェクトがまわるので今回は割愛します。
このように有機的に次フェーズのために何をしなければいけないのかを理解しながら進めることが重要です。
次は、戦略フェーズと設計フェーズで重要なポイントと内容を説明します。