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モバイル・セキュリティにおけるBYODという考え方

2012年3月23日(金)
小川 直樹(おがわ なおき)

社会構造の変化が与えるインパクト

ここで少し、BYODと関連した話題として、社会構造の変化とそれによるワークスタイルの変革について共有してみたいと思います。日本は以前から少子高齢化社会と言われてきたわけですが、具体的な労働人口の数字をちょっと見てみましょう。

総務省の労働力調査等を参照して計算したところ、昭和45年は15歳未満が24%、65歳以上が7%、そして15歳以上64歳以下が69%となっていて、この69%が総人口に占める生産年齢人口の割合でした(この年は大阪万博もあって活気のある時代として選んでみました)。

それが平成21年になると、15歳未満が13%、65歳以上が23%、そして15歳以上64歳以下が64%という比率になっています。この40年程の間に15歳未満の割合が半減し、65歳以上の割合が3倍以上増加したことになります。

さらにもう少し未来の平成32年には、15歳未満の割合は11%に減少し、65歳以上の割合は29%にまで増加すると予測されています。15歳以上64歳以下の生産年齢人口は60%と50年程の間に10%程度減少するとされています。

これは生産年齢人口の中での構成比率も高齢化が進むことを意味します。そしてこのことは今後の働き方にも大きな影響を与えるはずなのです。

例えば高齢化社会の1つの課題である介護の問題があります。これから先、生産年齢人口に入る年代の親世代が元気であればよい(そうあって欲しいものです)ですが、介護が必要になると生産年齢人口の多くが、介護に時間を割く必要が出てくるかもしれません。すると従来のようには残業ができない、場合によっては在宅勤務のような措置が必要になるケースも出てくるわけです。そうして在宅勤務や介護休暇制度の充実等が図られると企業は労働力を専業主婦に求めるようになる可能性も出てくるのです。

イクメンなどのように子育てや家事を共有し、女性の貴重な労働力を活かそうという考え方も出てきます。そして在宅勤務の環境が整えば、子育てしながら空いた時間に自宅で仕事することも可能になるかもしれません。冒頭で労働時間という概念について触れましたが、在宅勤務とそのツールとしてのモバイル環境によって「定時」や「深夜残業」などという言葉は死語になるかもしれません。

図4:デジタル時代と少子高齢化社会とワークスタイルの変革(クリックで拡大)

ワークスタイルの変革とIT、ポリシー

そして若い世代は、当たり前のようにモバイル機器を使いこなせるため、若い労働力を確保するには、スマート・デバイスなどが業務で使える環境にしておく必要があるかもしれません。何せ、これから若い世代は減っていきますから、この労働力の奪い合いに勝つためにはこういった環境構築も1つのポイントになるのかもしれませんよね。いずれにせよ、ワークスタイルの変化・変革に柔軟に対応した、あるいは対応できる企業IT環境が必要になると思います。説明が長くなりましたが、BYODの導入もその1つになる可能性がある、と思うのです。

こういったことを想定すると、BYODの導入に際して、きちんとしたポリシーの策定が必要であると理解いただけるのではないでしょうか。ポリシーを策定し、それを実現可能なITツールを導入することが大切です。

今回はITのトレンドからモバイル・セキュリティの重要性、BYOD、ポリシーの重要性といったところの解説をしてきました。次回は、モバイル・セキュリティの具体的なソリューション例に触れたのち、そのモバイル機器の接続先の1つであるもう1つのトレンド「クラウド」環境の現状や理想象からセキュリティについて見ていきたいと思います。では、お楽しみに。

著者
小川 直樹(おがわ なおき)
ジュニパーネットワークス株式会社 マーケティング部 ソリューションマーケティングマネージャー

プログラマーから始まり、大手外資系ソフトウェアベンダーにて、ストレージソフトウェアを中心にプリセールス、プロダクトマーケティングを担当。2008年より現職。

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