2017年に見ておきたい12のJavaScriptライブラリ
本稿は、Webdesigner Depotのブログ記事を了解を得て日本語翻訳し掲載した記事になります。
本記事は、デザイナー、ライターであるJake Rocheleau氏によって投稿されました。
JavaScriptのライブラリは数多く存在しているため、その中のどれにエネルギーを注ぐべきかを決めるのは難しく思えるかもしれません。
成長を続けて広く採用されるようになるライブラリもあれば、中には使用されなくなったり、別の新規プロジェクトに吸収されて消滅するライブラリもあります。
ほとんどのエンジニアは、jQueryやReactなどの有名なライブラリはすでにご存知かと思います。
しかし、今回の記事ではあまり知られていないものの急速に台頭している12のJavaScriptライブラリを紹介したいと思います。
1) D3.js
ビッグデータは成長産業であり、それと共にデータビジュアライゼーションも急速に重要性が高まっています。チャートとマッピングの機能を備えたライブラリは数多く存在しますが、D3.jsはその中でも目立つ存在です。
このJavaScriptライブラリは、XMLのsvg要素やHTMLのcanvas要素を利用することでWeb上でグラフ、チャート、動的なビジュアライゼーションのレンダリングを行うことが可能です。
完全に無料で利用できる、可視化ツールとしてのJavaScriptライブラリの中では最も強力なものの1つです。ブラウザ上でデータをレンダリングするためのツールを探している方には特におすすめしたいライブラリです。
2) Node.js
多くのエンジニアはNode.jsの話はいつもうんざりするほど聞いているかもしれません。しかし、Node.jsは急速に成長しているJSライブラリであり、開発環境以上のものを提供してくれます。
デフォルトのパッケージ管理ツールであるnpmによって、ローカル環境にあるプロジェクトのパッケージをすべてコマンドラインから管理することができます。そのため、Node.jsはnpmによってGulpなどの他のツールをインストールして使うことができる、完全な開発ツールキットであるといえるのです。
それに加えて、数多くの関連するオープンソースプロジェクトがNode.jsをベースとして構築されているため、テストフレームワークであるMocha.jsでユニットテストを実行したり、Sails.jsでフロントエンドのインターフェースを作成することができます。
もしまだNode.jsを試したことがなければ、「何て貴重なツールを見逃していたんだ」と驚くことになるでしょう。
3) Riot.js
JavaScriptのライブラリであるReact.jsは、仮想DOM、カスタム要素などの操作が複雑です。しかし急速に、フロントエンド開発におけるデジタルインターフェース用の強力なライブラリを必要とするプロに選ばれるツールになっています。
React.jsの代替ライブラリとして有力なのがRiot.jsです。Riotのフレームワークを使用すれば同様に仮想DOMにアクセスすることが可能で、しかもより簡単な構文要件で制御できます。
残念な点は、Reactほど大きくはなく、Facebookによって開発されていないために、利用者コミュニティが小規模であることです。しかし、代替JavaScriptライブラリとしては良い選択肢であり、特にフロントエンド開発においては有力候補です。
4) Create.js
Webアニメーションからデジタルメディアに至るまで、Create.js1つあればすべてをカバーすることができます。
Create.jsは単独のライブラリではなく、さまざまな目的のために構築された一連のライブラリ群から構成されるスイートパッケージです。
たとえば、ライブラリの1つであるEasel.jsはHTML5のcanvas要素を使って動きを表現するためのものであり、Tweet.jsはWeb用のトゥイーニング(2つのイメージ間の動作変化であるトゥイーンを自動生成して滑らかなアニメーションを表現するプロセス)とアニメーションを作成するのに役立ちます。
5) Keystone.js
先に私はいかに多くのライブラリがNode.jsをベースとして構築されているかについて述べました。Keystone.jsは本格的なCMSエンジンを備えたフレームワークであり、Node.jsを超える優れたツールの1例です。
Keystone.jsを利用することでMEAN(MongoDB、Express、AngularJS、Node.js)スタック方式によるWebアプリ開発が可能であり、バックエンドをNode.js、Express、MongoDBで構築できます。
完全に無料で利用できますが、公開されたばかりの新しいライブラリです。記事執筆時点の現在の最新バージョンはv0.3であり、プロフェッショナルな利用に適したライブラリとなるには、今後まだ長い時間がかかりそうです。
しかしJavaScriptのCMSフレームワークが気になる方は、チェックしてみることをおすすめします。
6) Vue.js
フロントエンドのフレームワークとしては、AngularとEmberが2大選択肢であるようです。しかし、Vue.jsも人気の高い選択肢であり、バージョンv2.0の公開以降はさらに急速に注目を集めています。
Vue.jsは、MVVMフレームワークであるため、典型的なMVCとはアーキテクチャが異なります。学習は難しいかもしれませんが、構文は一度理解してしまえば簡単です。フロントエンドのフレームワーク戦争が起きている現在においても、Vue.jsは確実な選択肢です。今後数年にわたって注目し続ける価値があります。
7) Meteor
Meteorはオープンソースのプラットフォームです。どんなプラットフォームでも統合することが可能であり、良い結果を生み出すことができます。
このMeteorのオープンソースのプロジェクトは、リアルタイムのチャットアプリ、ソーシャルコミュニティのためのアプリ、ダッシュボードなどJavaScriptで動くアプリケーションをエンジニアが開発するときに役立ちます。
また、Telescopeというソーシャルアプリケーションの開発に特化した新しいフレームワークは、フロントエンドをReactによって、バックエンドをMeteorによって構築されています。MeteorとReactの技術が組み合わされたTelescopeを利用すれば、ソーシャルニュースのWebサイト、ソーシャル投票のWebサイトなどをゼロから構築することができます。
Meteorは数多くの機能を備えたモンスターのようなライブラリで、学習は簡単ではありません。しかしMeteorは楽しく、熟練したJSエンジニアであればほとんど何でもこのプラットフォームで構築することができるでしょう。
8) Chart.js
Chart.jsは、JavaScriptとCanvas APIを使用することで、棒グラフ、折れ線グラフ、バブルチャートなどのグラフを作成できます。
データのグラフ化のための最もシンプルなJsライブラリの1つであり、アニメーションのためのビルトインタイプのオプションも組み込まれています。
セットアップとカスタマイズが容易で、オープンソースプロジェクトの中で最も優れたドキュメントがいくつか付属しているため、Chart.jsは私がおすすめできるデータのグラフ化のためのライブラリとしては、数少ない中の1つです。
9) WebVR
新興スタートアップや熱狂的なエンジニアたちがVR(バーチャルリアリティ)のプロジェクトに不断の努力で取り組んだこともあり、バーチャルリアリティは世界中を魅了したようです。
そのため、ブラウザ上でVRを実現するために開発されたJavaScriptのAPIであるWebVRが登場したことは、驚くにあたらないかもしれません。
WebVRは、Oculus Rift、Viveといった最も人気の高いVRのデバイスへのアクセスを可能としますが、現在はまだ開発段階にあります。 APIはオープンソースであり、モダンブラウザ上でVRのデバイスがどのように機能するかを測定するテストが、常に実行されています。
このプロジェクトに興味を持った方や参加したい方は、オフィシャルサイトまたはMozVR(MozillaのVRチームのサイト)で詳しい情報をチェックしてください。
10) Three.js
1980年代から現代に至るまでの3Dアニメーションの進化は驚異的です。私たちは3Dアニメーション映画には慣れ親しんでいますが、Webアニメーションはまだ新しいフロンティアです。
幸運にもThree.jsのようなライブラリがあることで、Web上における3Dアニメーションへの道が開拓されています。
Three.jsのメインサイトには数多くの実例があります。モーションセンシティブな背景、3DWebグラフィックス、3Dアニメーション効果を使った動的なインターフェース要素などを構築することができます。
忍耐力と野心があれば、このライブラリを使ってどのような3D効果も構築することができるでしょう。Web上の3Dモーションを表現するには最も良いリソースであり、サンプルも豊富に備わっています。
11) Omniscient.js
JavaScriptを使った関数型プログラミング自体は新しいものではありませんが、Web上においては新しいものでした。しかしOmniscient.jsなどのライブラリが登場したことで一般的になりました。
Omniscient.jsは無料でオープンソースのライブラリであり、すべてのフロントエンドの要素をトップダウン方式でレンダリングすることによって、viewを処理します。関数型プログラミングのコードをJavaScriptでゼロから書いて、Reactのような既存のUIライブラリと連携させることができます。
Omniscient.jsはよりスムーズな開発プロセスを求める経験豊富なエンジニアに特におすすめです。初心者にとっては複雑なテーマかもしれませんが、Omniscient.jsはReactの機能と連携して利用することで、開発プロセスを抜本的に改善できます。
12) Ractive.js
他のものとは異なるユニークなUIライブラリを探している方には、Ractive.jsがおすすめです。Ractive.jsにはテンプレートと入力したデータを結び付ける、Two-way bindingというバインディング機能がデフォルトで備わっています。
そのため、RactiveのJavaScript関数にバインドされた要素を操作するだけで、テンプレートを構築することができるのです。
重厚感のあるライブラリですが、初心者にとって学習曲線が最も緩やかなライブラリの1つでもあります。Reactほど詳細型のライブラリではありませんが、JsとHTMLにおいては独特な構文を使います。
さらに学習するにはRactive.jsのメインサイトを訪れて、「Examples」のページよりRactive.jsで何が可能なのかをチェックしてみてください。
まとめ
今回の記事でご紹介したライブラリはすべて、JSのコミュニティにそれぞれユニークな価値を提供することで貢献しています。
もしあなたがJavaScriptの操作が好きであれば、それぞれのライブラリをもう一度見返して、あなたのWeb開発プロジェクトにどのような付加価値を与えてくれるかを考えてみてください。
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