【生成AIによる変革】生成AIの可能性と次世代の意思決定

はじめに
本連載では、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」に所属する各分野の専門家が、それぞれの視点から最新のAIトレンドとビジネスへの示唆を発信しています。本記事を通じて、皆さまが“半歩先の未来”に思いを馳せ、異なる価値観や視座に触れていただければ幸いです。
生成AIの進化と経営へのインパクト
近年、生成AIの進歩は目覚ましく、その中でもOpenAIの「ChatGPT」は経営領域においても大きな注目を集めています。その例として、人間とAIの協調作業によって、より効率的な業務を可能にし、イノベーションを起こしています。
今回は、ChatGPTをはじめとする生成AIの最近登場したツールや、最新アップデート情報について紹介します!
【関連】「生成AIの未来展望、進化の加速と影響」(BBT AI Magazine 2025年3月6日)
Google Gemini:
最新アップデートと進化の方向性
2025年3月にGoogle Geminiからたくさんのアップデートが発表されました。その内容は下記のとおりです。
- 3月13日
- 「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」の公開(推論機能の強化)
- 「Deep Research」機能の追加
- 検索履歴を活用したパーソナライズ機能(試験運用)
- 「興味・好み」の記憶機能(40言語以上に対応)
- アプリ連携機能の強化
- カスタムAI「Gem」の無料提供範囲拡大
- 3月18日
- 新機能「Canvas」の提供開始(Gemini 2.0 Flash対応)
【参考】「リリースの最新情報」(Gemini Advanced 2025年3月18日)
これらのアップデートにより、Geminiは知的処理能力とユーザー適応性の両面で大きく進化しました。特に「Canvas」はドキュメントやコードの生成・編集・共有をワンストップで実現する革新的な機能です。
さらに「Flash Thinking」やDeep Researchの導入により複雑な情報処理やプロジェクト遂行が効率化され、Geminiはより実践的な“共創型AI”へと移行しつつあります。

【出典】「【神アプデ】Google Meetの「AI機能」、もう議事録は不要に!?」(NEWS PICKS 2025年3月18日)
百度(Baidu):
中国における生成AI競争の本格化
出典:Bloomberg Japan 記事
2025年3月、中国のテック大手・百度は新たなAI推論モデル「Ernie X1」を発表し、競合であるDeepSeekの「R1」に対抗する姿勢を鮮明にしました。
Ernie X1は日常会話、計算処理、論理推論において高い性能を発揮するとされ、あわせて次世代モデル「Ernie 4.5」も公表。OpenAIの「GPT-4.5」を凌ぐ性能をうたっており、6月にはオープンソース化と無料提供を開始する計画です。
【出典】「中国の百度、新たなAI推論モデル投入-DeepSeek台頭で巻き返し図る」(Bloomberg News 2025年3月17日)

【出典】「ERNIE 4.5とX1が変えるAI:バイドゥの低コスト戦略とマルチモーダル革新」(GPT MASTER 2025年3月17日)
Manus:
自律型AIエージェントの台頭
「Manus」は中国スタートアップのMonica社が開発した次世代の自律型AIエージェントです。2025年3月に登場したこのプロダクトは、従来のチャットボットとは異なり、人の手を借りずにタスクの計画・実行・修正を自律的に遂行する能力を備えています。
複数のAIモデル(Claude 3.5やQwenなど)を統合的に活用することで、高度な業務処理が可能に。実行中のエラーへの自己修正機能を持ち、評価でもOpenAIの先進モデルを上回る結果を示しています。
【参考】「Manus AI Agent: China’s Autonomous AI and Its Impact」(Leanware Editorial Team)
Adobe:
10種のAIエージェントでマーケティングを変革
アドビは、企業のデジタルマーケティングを支援する目的で、革新的なAIエージェント群を発表しました。これにより、ユーザー体験の高度なパーソナライズやマーケティング施策の効率化が可能となります。
発表された10種のAIエージェントは以下の通りです:
- アカウント・クオリフィケーション・エージェント
- オーディエンス・エージェント
- コンテンツ制作エージェント
- データ・インサイト・エージェント
- データ・エンジニアリング・エージェント
- エクスペリメンテーション・エージェント
- ジャーニー・エージェント
- 商品アドバイザー・エージェント
- サイト最適化エージェント
- ワークフロー最適化エージェント
これらにより、企業はより高度なターゲティング戦略とCX(カスタマーエクスペリエンス)強化を実現し、AI活用における次のステージへと歩みを進めることができます。
【参考】「アドビが一挙10種類の「AIエージェント」発表。高まる企業の生成AI需要に応える」(Business Insider Japan 2025年3月19日)

【出典】「アドビ、顧客体験およびマーケティングのワークフローにAIエージェントを統合する「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」を発表」(Adobe 2025年3月19日)
まとめ
今回取り上げたChatGPTをはじめ、Google Gemini、百度のErnie、Manus、そしてAdobeのAIエージェント群まで、生成AIの進化は各国・各企業において多様なアプローチで加速しています。それらに共通するのは、AIが単なる効率化ツールではなく人と変わらない「パートナー」のような役割へと変容しつつある点です。
今後、AIは自律性と状況適応性を兼ね備え、個々の企業文脈に深く入り込みながら、複雑な意思決定や顧客体験の設計に貢献する存在へと成熟していくでしょう。だからこそ、単にAIを導入するのではなく、それを活かすための組織構造・文化・倫理的配慮をセットで再設計することが、企業にとっての競争力へと繋がると考えます。
未来を予測することは困難ですが、AIとの“共進”を意識した経営こそが、これからの時代における持続可能な価値創出の鍵となるのではないでしょうか。
※本ニュースは「IKIGAI lab.」が配信しているコンテンツです。
IKIGAI lab.はこちらをご覧ください。
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