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夫婦喧嘩をなくすウェアラブルデバイス

2017年6月21日(水)
ReadWrite Japan

喧嘩が始まりそうになったら警告し、解決策を提案してくれるウェアラブルデバイスを想像してみよう。行動予測モデルの生体認証データにまつわる研究から、ウェアラブルデバイスの未来について興味深い点がみえてくる。

この手のデバイスで興味深い例を挙げるとすれば結婚生活だろう。ウェアラブルデバイスで機械学習が使えるようになることで、生理学データから感情の高まりに対する警告をだすことができ、結果として、喧嘩に至らずに済む。
たとえばパートナーがタオルを床に放りっぱなしにしているのを見てカチンときた時、ウェアラブルデバイスが心拍の高まりを検知して振動し、深呼吸するようメッセージを送る。こうしたアシストにより言い争い、ぶつかり合いを回避でき、解決にかける労力を抑える期待ができる。

フィットネスやヘルスケア業界においてこうした技術革命が果たす役割は大きい。マイクロプロセッサは体温や心拍、汗の量などさまざまな生理学的パラメータを記録してくれるため、人は多くの情報を集めることができ、さまざまなプラットフォーム上で改善や比較を活用しシェアすることができる。

南カリフォルニア大学の研究者達は、この技術を人の振る舞いに応用することで非常に大きな進歩を達成した。最近の研究調査では、自由に振る舞える環境におかれた被験者が生体データとともに集められる中、感情の動きが1時間毎にトラッキングされ、集められたデータは革新的な機械学習技術によって処理される。状況を実際の出来事に近づけるため、対象をわざわざ問題が起こることを想定した環境にはおかず、衝突は自然に起こるがままに任せた。

集められた情報は録音の内容と口調の強さから検証され、結果86%の正確さで喧嘩の発生を検知できた。

この有望なテスト結果は、研究が生体反応と喋り方から喧嘩の発生を予測するという取り組みに希望を与えるものだ。
最終的な目標は生体データを使って、喧嘩が起こる5分前にそれを予測することである。

感情をどうコントロールするのか?

この革新的な技術はさらに研究が進められており、それがもたらす影響も興味深い。しかし同時に人としての要素を人生から奪ってしまうものではないのかなど、いくつかの倫理上の疑問も投げかけるものだ。衝突は人生において必要なものではないのだろうか?

臨床心理学者のLarry Nadig博士は、衝突は人間関係において重要であり、これなくして関係性を築き上げることはできないという。彼はさらに「衝突とは生産的なことにもなりえ、より深い理解と親密性や敬意をもたらす」と説明している。

カリフォルニアのメディア心理学研究センターでディレクターを務めるPamela Rutledgeは、これとは異なる意見を提示している。

「ユーザーが不健康なパターンに意識を向け、その情報をもとにアクションを取れるようになるうえで、こうしたデバイスは雰囲気やストレスレベル、行動にポジティブな影響を与える可能性を秘めています」とRutledge氏は話す。

さまざまな意見はあるようだが、こうしたウェアラブルの開発が進んでいるのは素晴らしいことであり、世界を急速に新しいテクノロジーに向け変化させている。次は何が出てくるのだろうか?

AMANDA RAZANI
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
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