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見えない広告で支払い請求?年間8,000億円の損失を生む不正広告の手口とは

2018年4月11日(水)
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Netflixが買い上げた「Black Mirror」は未来のテクノロジーの可能性を暗示した大人気TVドラマシリーズだ。皮肉なことに広告ブロッキングのユーザーに焦点を当てており、わざとらしさに不快に思う人もいる。ともあれ広告技術はそれ自体、議論が付き物だ。広告ブロッキングはブロック率が下回るまでは常に話題の種だった。だがユーザーの無料デジタルコンテンツの需要から、今日では広告ブロッキングは大きな反発を受けている。

広告ブロッキングが一段落して広告を出す側は一息ついたところだが、別の問題が業界を蝕んでいる。詐欺広告と透明性の問題だ。

Intenational Advertising Bureau(IAB)は詐欺広告が世界中で発生させているコストは毎年82億ドルに登ると見積もっている。これらの多くは人間以外のトラフィックから発生しており、無くすことができれば年間40億ドルの節約になるという。

透明性の欠如

今日の広告テクノロジー業界はサブプライム住宅ローンのようなものだと考えるとわかりやすいだろう。広告主は短期的目標のために出資するが、それが長期的な価値となって現れるかどうかには目が向けられていない。

透明性の欠如はペテン師達がテクノロジー自体ではなく、売上主体で会社を設立することを可能にしている。ウォールストリートジャーナルによると、全米広告協会は2015年でbotによる広告印象操作は3%から37%に増加したという。この調査はbot自体のトラフィックが2%から22%に増加したのに対してだ。

まっとうな広告テクノロジー企業には幾つかの条件が備わっている。それは3つの分野のどれかから競争力を確立している。独自の販路を持っているか、独自のデータを持っているか、あるいは広告主との強い関係性を持っているかだ。

一方、詐欺のような企業の場合はマージンで勝負しており、自身がトラフィックを持つというよりはそれに相乗りする形を取る。ほかにもユーザーの体験を損なう方法をとってくる。

詐欺広告の被害とは

詐欺広告の多くは偽物の広告でクリック数を稼ぐものであり、広告主が対策を迫られるものだ。今日では目を光らせておかねばならないさまざまなマーケティングの専門家たちがいる。

ピクセルスタッキングと広告スタッキング

ピクセルスタッキングとはページが読み込まれた際に1ピクセルだけの広告を表示する手法だ。まず目に見えない広告だが、一回読み込まれたものとしてカウントされる。広告スタッキングも似たような手法であり、幾つかの広告を重ねあわせて表示するものだ。見た目はひとつの広告だが、重ね合わせて表示されたものすべてがカウントされる。

広告インジェクション

広告インジェクションはいくつかの形式で行われる。既存の広告に被る形で広告を出す(広告スタッキングだ)か、完全に広告を置き換えてしまうかだ。最も多いのはウイルスに感染したとか、PCの性能が落ちているなどの警告を表示するパターンだろう。

ドメインロンダリング

程度の低いドメインを使って、あたかも名前の通った業者が作ったサイトに見せかける手法だ。広告を打つ側からすれば、そこで広告を出すためにより高いお金を払うだろう。こうした余分なコストが発生するほかに、別のいかがわしい広告が掲載されることにもなれば、まともな広告を出した側の評判にも傷がつく。

予防のためのベストプラクティス

詐欺広告対策のシステム自動化は急速に進んでいるものの、システムに任せきりに出できるというわけではない。以下に上げるのは詐欺広告で会社がダメージを受けないためのベストプラクティスである。

・広告業者に透明性の証明を要求することだ。広告業者にトラフィックがどこから発生しているのかを聞くだけでも広告詐欺の確率を大きく減少させることができる。こちらからの要求に対して微妙な反応をするようであれば赤信号だ。

・広告アクセスの時間帯を見てみることだ。botは一日の特定の時間により活発に活動する。時間帯をチェックすることは不正なトラフィックの回避に役立つかもしれない。

・トラフィックを常に監視することだ。どこから一番良くクリックを稼いでいるかを常に確認し、それに合わせて広告の調整を行うことだ。

・自身の匿名モードで見てみることだ。そうすることで自分のサイトが一般的にどのように表示されているかがわかる。またこうすることであなたのドメインを盗んだサイトや、インジェクションされた広告の確認も行える。

これらの対策に加え、ブランドセーフティなネットワークを利用するのも良いだろう。

これらネットワークには大抵、不正なトラフィックを監視、検知し排除する仕組みが備わっている。また有名な企業はそれぞれ異なるカテゴリー(性的コンテンツやファイル共有、違法コンテンツ etc…)のブランドセーフティをもっている。

問題なのは常に変化している。

常に移り変わる状況を把握するため、業界のトレンドに目を向け物事がどう動いているのかを把握することは重要だ。

詐欺広告を完全に排除することは難しいが、それでもベストプラクティスに倣うことでそのダメージを抑えることはできる。

YOAV VILNER
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
転載元はこちらをご覧ください。

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