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IoTセンサーで進化する災害予測

2018年3月28日(水)
ReadWrite Japan

過去10年ほどで、我々はさまざまな国で数百の自然災害を経験した。米国は最も大きな被害を受けた国の一つだが、発展途上国も特に人口密度が高く避難のためのインフラが整備されていないことから大きな被害を受けている。壊滅的な災害は大規模な建物の破壊や人間動物の死を引き起こし、その後も非常な困難が待っている。

効果的な災害予測にIoTは役立つのか

気候の変動が世界的な懸念になるなか、専門家達は災害の結果発生する緊急避難の問題を解決し、最適化するためのIoTの利用を模索している。それが地震や津波、自然火災、火山の噴火や何であれ、損失はコントロール不能であることが多い。だがありがたいことに、我々は技術の進歩によってその被害を抑えることができる時代に生きている。正確に言うと、IoT技術があっという間に進歩を遂げ、さまざまな分野で実用に耐えるようになった。世界中の研究者や専門家達によりIoTを導入して自然災害の被害を最小化する試みが続けられている。

自然災害の発生をIoTで止められるわけでは無いが、備えるための方法として確実に有効である。災害の発生予測に使えることがわかっており、スマートシステムを通じてコミュニティに事前に警報を送ることが可能だ。

IoTが災害予測とマネジメントで期待されている理由とは

まずは大災害を予測し、リスクをあるいは回避できるかもしれない点だ。GISやスマートデバイス、衛星通信など、早期警報のためのシステムを考えるうえでIoT技術は使える。

またこれからまもなく起こることがわかる点も重要だ。ソーシャルメディア以上に警告とガイドラインを広めるのに適したものはあるだろうか?既存のメディアもまた主体的な役割を果たす。

緊急時の対応を促すためのリアルタイムなコミュニケーションが次に考えられる適用例だろう。

災害発生後、最も過酷な仕事は人命救助と地域の回復だろう。行方不明者の捜索や災害基金の管理のためのオンラインシステムを作り上げるのに、IoT技術が効果的に使われうる。

更にIoTデバイスやシステムは既存の通信インフラが貧弱で頼りにならなかったり、あるいは機能していない時の代替手段としても機能する。この場合、IoTデバイスの導入はほかとは全く違った意味で役に立つ。災害への対策や復興には役に立たないのだが、緊急時や通信手段が限られている時のコミュニケーションの選択肢として重要なのだ。

IoTセンサーが災害への対策にどう役立つのか

天候に関するいくつものパラメターを監視するIoTセンサーは自然災害や緊急事態下で状況が見えない時に優れた解決策になると考えられている。IoTセンサーを特定のエリアに導入することで、災害に見舞われた際は緊急センターとして機能するシステムを構成することができる。湿度や温度、気圧や水位そのほかの天候に関するパラメターを常に監視し、それらの値が危険なレベルまで高まればセンサーネットワークが検知する。

緊急対応を行う部隊や勧告を発する者にアラートを送る場合、ほかのどのような通知システムもセンサーによる通知の早さにはかなわないだろう。更にセンサーからは天候や取りうる避難の方法、交通状況や医療サービス、警察の対応状況などのデータがリアルタイムで送られてくることから、災害を事前に察知し、次にとるアクションを考える助けとなる。

いくつかの重要な天候状況から洪水を予測するセンサーなどの場合、インフラに影響を与えるためその展開は戦略的に行わなければならない。こういったシステムは複雑かもしれないが、それでもうまく実装することができれば素晴らしい汎用性を発揮するだろう。IoTセンサーのネットワークはリアルタイムで送られてくるデータから効率的に自動応答を行う。森林火災などの場合、木に取り付けられたセンサーが温度や湿度、CO2濃度を検知し、地元住民には警告が行き、消防士たちには現場に到着する前にその状況を把握できる。

研究者達は更に異なるタイプのIoTセンサーに着手しており、それらの中には赤外線やマイクロ波を検知するものもある。前者は洪水、後者は地震などの場合に役立つだろうと考えられている。

ABHISHEK BUDHOLIYA
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
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