ホートンワークスが「Data Platform Conference Tokyo 2017」を開催、サイバーセキュリティへの対応を強化
カスタマーセッション1社目は三菱ふそうトラック・バス株式会社のLutz Beck氏。5年、10年後の自動車は単なるハードウェアデバイスに過ぎず、今後はサービスを追求していく必要があると述べた。同社は、データ駆動型の組織になるために大量データを分析できるプラットフォームとしてHortonworksを採用。毎日の走行データのほか、気象データや渋滞データなどを収集して新たな付加価値を生み出そうとしている。
「われわれ製造メーカーもデータ活用に取り組んでいかないと消えていく、ただのハードウェアになってしまったら簡単に置き換えできてしまうからだ」(同氏)。三菱ふそうでは「データは新しい石油である」というスローガンを掲げ、自動車業界をディスプラクションしていきたいと語った。
続いて株式会社LIXILの菖蒲 真希氏が登壇。LIXILは2011年に住宅関連メーカー5社が統合してできた会社で、今もなお重要な情報が各システムに散在しているという。全社視点での分析を実現するため、「業務システム」「社外システム」「IoT」の各種センサーデータの3つをソースに、SAPのHANA VORAとHortonworks Data Platformを連携させた情報分析基盤をオンプレとIBM Bluemix(IBM Cloud)のハイブリットなシステムとして構築中だ。今後は、グローバルマネージメントのレポートを自動化したり、約4,000万件ある顧客情報の一元化、営業活動の分析などに着手しはじめている。
株式会社リクルートテクノロジーズ添田 健輔氏は、リクルートIDとしてサイト横断でユーザーへの情報を最適化する取り組みを実施してきた。これらを実現するデータ基盤は、200台強のサーバーに2000TB以上のデータ、オンプレミスにはHortonworksとOracleを採用、各種クラウドサービスも活用しながら運用している。月間1億を超えるクエリを発行する規模感だ。
日産自動車株式会社の木附 敏氏のビデオ講演では、シリコンバレーオフィスがHadoop導入を検討する際にいくつかのディストリビューションを比較し、最終的には国内含めてHortonworksを採用した経緯を紹介した。歴史が長い同社では、サイロ化されたデータウェアハウスが山ほどあり、これまで何年もかけてデータ統合を実施してきたが目標を達成したものがないという。「それを変えよう導入したのがHadoopだ」と同氏は語る。
プロジェクトや部門別のデータをHadoopに格納し、クロスディビジョン/クロスリージョンで部門横断的に活用できるデータをカタログ化することを目指している。グローバルにデータを活用できる基盤を作っていくのが今後の大きなチャレンジになると語った。
イベント会場では20社近い展示ブースも出展されており賑わいをみせていた。
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- 10/10開催 Apache Hadoop 3.0 / Metron最新動向「Data Platform Conference Tokyo 2017」
- オープンソースのビッグデータプラットフォームを提供するホートンワークス、最も成長の速い企業を目指す
- 「データは新しいビジネスの通貨」日本初上陸のHadoop Summitレポート
- Apache NiFiのコミッターに聞く「OSSコミッター」になる秘訣
- Hadoop Summit 2016 San Joseにみるデータアプリケーションのクラウド/サービス化
- データ収集にはオープンソース化よりAPI提供が適している―リクルート「A3RT」無料公開の裏側
- クラウディアン、ビッグデータをスマートデータとして活用できる「CLOUDIAN HyperStore 5.1」をリリース
- 自動車業界のサイバーセキュリティ標準:「WP.29 Cybersecurity対応 AWS リファレンス」の無償公開とその意義
- Hadoop Summitが日本で初開催、Mozillaの次世代Webエンジン「Project Quantum」が発表、ほか
- 池澤あやか氏・リクルートテクノロジーズCTO米谷氏対談レポート-リクルートテクノロジーズがオープンイノベーションスペースを作った理由-