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開発者と一緒に新たな世界を創るー富士通 MetaArc Developers Connectレポート

2018年1月23日(火)
高橋 正和

富士通株式会社は2017年12月7日、開発者向けに同社のクラウドやAIの最新技術を紹介するイベント「MetaArc Developers Connect」を開催した。MetaArc(メタアーク)とは富士通のクラウドサービスである「FUJITSU Cloud Service K5(以降、K5)」やその上で展開されるAI技術「Zinrai(ジンライ)」などを包括した同社のデジタルビジネス・プラットフォームを指す。

イベントでは富士通の技術者によるテクニカルセッションだけでなく、ユーザーの生の声が聞ける事例セッションやパネルディスカッションなども用意され、開発者に有益な情報として提供されていた。その中でも本稿では、富士通の最新テクノロジーを活用したZinraiの導入事例や、K5をはじめとした同社のクラウドネイティブへのありかたが紹介された基調講演を中心にレポートする。

「Zinrai」17の活用シーンを一挙に紹介

富士通株式会社 常務理事 首席エバンジェリストの中山五輪男(いわお)氏は、「シンギュラリティ」の概念を提唱したレイ・カーツワイル氏の未来予測を背景に、富士通のAI「Zinrai」を紹介した。

富士通株式会社 常務理事 首席エバンジェリスト 中山五輪男氏

中山氏は、カーツワイル氏の予測をいくつか解説し、「こうしたシンギュラリティを創る重要な要素は人工知能である」とまとめた。人工知能関連のサービス開発は各社がしのぎを削っており、もちろん富士通も例外ではない。MetaArcの構成要素の一つである富士通のAI「Zinrai」は、2015年のサービス開始から2年間で案件数600件、さまざまな分野での導入が進んでいる。「他社サービスと比較しても非常に多くの活用事例がある」と、中山氏は利用が広がるZinraiについてアピールした。

富士通のAI「Zinrai」。2年間で案件数600件を超える

Zinraiでは実用性の高いAI技術を、画像認識や音声テキスト化といった「基本API」や、専門分野別意味検索や需要予測などの「目的別API」として、2017年春より提供している。

前述した600件の案件のうち、産業別では、「産業」40%、「流通」27%が上位になっている。また、適用分野別では、「コールセンター」19%、「ものづくり」13%、「ナレッジ活用」12%が上位になっている。コールセンターはAIの適応分野としてはよく知られたものだが、Zinraiの場合はそれ以外の分野にも広く活用されているのが目を引く。

業種・業務知見を組み入れたZinraiのAPI
Zinrai課題解決メニューの7つのカテゴリー

富士通ではこうした事例をもとに、Zinrai課題解決メニューとして7分野に分類し、17の活用シーンを提示している。

案件の多いコールセンター分野では、5つの活用シーンが提示されている。講演ではAIを活用した業務指向の対話技術の事例が紹介された。なお、コールセンター向けチャットボットソリューションは「FUJITSU Customer Engagement Solution CHORDSHIP powered by Zinrai」として製品化しており、既存のFAQデータをそのままAIで活用し、自立的に成長するという。

コールセンター向けチャットボットソリューション「CHORDSHIP」

また、保守・保全分野での「設備異常の予兆検知」では、温度測定を可能にする特殊コーティング光ファイバーによる予兆検知の事例が紹介された。

特殊コーティング光ファイバーによる予兆検知の事例

このように富士通が持つその他のテクノロジーと組み合わせたZinraiの活用は、同社の強みだと言える。また、AI活用の検討にあたり、実際の導入コストや効果が見えないという声もあるが、同社は業種・業務ごとに具体的な活用例をまとめ、導入効果だけでなく、導入にかかる期間や費用の目安を提示している。これにより具体的に検討しやすくなり、AI活用がさらに加速していくだろう。

最後に中山氏は、「富士通は今後開発者とのコラボレーションを重視していく。ここにいる皆さんと18番目以降のメニューをぜひ一緒に開発していきたい」とイベントに参加した開発者に呼びかけた。

デジタルビジネスとデータ分析を支えるクラウドサービス「K5」

富士通株式会社 デジタルビジネスプラットフォーム事業本部 本部長の太田雅浩氏は、クラウドネイティブの世界を背景に、「K5」のビジョンを語った。

富士通株式会社 デジタルビジネスプラットフォーム事業本部 本部長 太田雅浩氏

太田氏はまず、K5の中長期ビジョンを説明。2020年度に向けて「リアルで起こった事象をデジタル化し、クラウドで処理されたものを、再びリアルに返却することで価値を生み出す」データ駆動型社会の到来。その先の、2025年度には、「センサーがあらゆる所に配備されることで、サイバー空間にリアル空間が再現される」とし、サイバー空間上で価値を生み出す「CPS(Cyber Physical System)」をキーワードに掲げ、これらを支えるクラウドプラットフォームの提供を目指すと語った。

K5の中長期のビジョン

続いて、現在起きているデジタルテクノロジーによるビジネスの基底モデルの変化について、太田氏は、「需要と供給のマッチングがデジタルビジネスの根底にある」として、いつでもどこでも直接つながることにより、取引コストが低くなる「取引コストゼロ時代の到来」を語った。そのような時代を見据え、富士通ではK5からマッチング、パーソナルデータストアなど新しいつながりの実現を支えるクラウドサービスを「シェアリングビジネス基盤サービス」や「Personiumサービス」として、他社に先んじて提供してきた分野でもある。

ビジネスの基底モデルの変化

こうした時代のビジネスでは、誰よりも先に(speedy)、小さく始めて(small start)、大きく育てる(grow big)が求められると太田氏は語る。そのために、革新的なアイデアから、小さく始めるのはもちろん、さらに大きく支えるところまで幅広いサービスが必要になると論じ、そのための最新の各種サービスを紹介した。

例えば、顧客が簡単にサービスを提供できるようにするための「らくらくサービスデリバリ基盤」や、UIの開発やUXの改善を試行錯誤できる「K5 Playground」。ビジネスに付加価値を追加できる「Zinraiプラットフォームサービス」。データ駆動型社会の実現に向けた「Data Sandboxサービス」の計画などを太田氏は挙げた。これらのK5上で提供されるサービスにより、柔軟かつ迅速な開発が可能になり、環境の変化にも対応しやすくなる。今後デジタルビジネスの立上げに貢献するサービスとして期待できるだろう。

革新なアイデアから大きく支えるところまで幅広いサービスの必要性
デジタル時代のビジネスを支える富士通の各種サービス

最後に太田氏は、K5は「業務」「ビジネス」「社会」に踏み込んだ、サステイナブルかつスケーラブルでセキュアなクラウド基盤だと説明し、今後もお客様のデジタルビジネスの成功に役立つサービス(付加価値)を提供するために成長を続けていくと基調講演を締めくくった。

◇ ◇ ◇

富士通では2017年5月に開催されたFujitsu Forum 2017の頃から開発者向けのアプローチを強化している。同社の高い技術・サービスをわかりやすく伝えるため、このようなイベントや対面/オンラインなどを通じて積極的にコミュニケーション図っているのだ。今回のイベントではそれをさらに推し進め、セッションやデモブースのほか、ハンズオンやパネルディスカッションなどの体験型・参加型の企画も織り交ぜ、開発者との対話を積極的に進めている。

ハンズオンセッションでも紹介された「K5 Playground」のブースでは、テンプレートから簡単にアプリを構築するデモが実施されていた。担当者が、「K5 Playgroundは登録不要で誰でも無料ではじめられます、とにかく開発者の皆さんにまずは触ってもらうことを考えました」と、話していたのがとても印象に残った。

イベント会場の体験ブースでは来場者が説明員に熱心に質問している様子が伺えた

最新テクノロジーを開発者のパワーに!と題した本イベント。中山氏の基調講演にもあったように、富士通はデジタル革新の担い手である開発者と手を取り一緒に新たな世界を創りあげてようとしている。

フリーランスのライター&編集者。IT系の書籍編集、雑誌編集、Web媒体記者などを経てフリーに。現在、「クラウドWatch」などのWeb媒体や雑誌などに幅広く執筆している。なお、同姓同名の方も多いのでご注意。

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