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iPhoneのAR機能「ARKit」について学ぶ

2018年7月11日(水)
Jack Masaki

はじめに

前回は、Unityでユニティちゃんの3Dモデルをインポートして動かしてみました。今回は、AppleによるiOS向けのAR機能である「ARKit」について解説します。

ARKitとは

ARKitは開発者向けのARフレームワークです。このフレームワークを使用したARアプリは特別なデバイスを必要とせず、iPhoneとiPadの単眼カメラを使って動作します。

現実世界にさまざまなデジタルデータのオブジェクトを表示できる

ARKitが搭載される以前にも『ポケモンGO』のようにARアプリやARマーカーを読み込んで現実にキャラクターを表示するといったARアプリは存在しましたが、ARKitではさらに「現実空間の構造を認識できる」ことが特徴です。

例えば、ARKitで現実世界にデジタルデータの標的を設置し、その標的にボールを投げて当てたり、3Dデータで作られた家具をお試しで部屋に置き、実際の大きさがどれくらいなのかを確認したりなどがスマホで簡単にできます。

ARなら実際の部屋に実物大の家具を置いたシミュレーションも簡単に行える

また、ARはエンターテイメント分野だけでなく、医療・製造業などの分野や、日常生活を便利にするという点でも注目されています。ARKitでは現実世界の平面を取得できるようにしたことで、さらに便利に使えるようになりました。

ここで、いくつか例を挙げてみましょう。

まず、身近な例として家具の長さを測ったり、買いたい家具を実物大でARに配置し大きさを確認したりなど、家庭でも利用できるARアプリが数多く登場しています。

医療分野では人体モデルを表示し、その場で様々な角度から検証できます。CTスキャンなどのデータを利用して、手術前にAR上で「どこが悪いのか」というデータをあらかじめ確認することができます。

製造業でもARの活用は注目されています。車などの完成品を実物大で見ることで、イメージをより詳細に共有できます。また、現実の作業機械を前にして、ARでマニュアルを重ね合わせることにより修理や製造の効率化を図ることもできます。

これら以外にもARKitを使用して利便性が向上する分野は多くあり、すでに配信されているアプリも多数あります。

ARKitの動作環境

ARKitはiOS 11以降に搭載されており、2013年に発売されたiPhone 5S以降の機種であれば対応しています。それ以前の機種はiOS 11非対応となっているので注意が必要です。また、2017年に発売されたiPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plusには最初からiOS 11が搭載されています。

ここでひとつだけ注意したいのは「iOS 11に対応していても、ARKitに対応していない機種がある」ということです。表1にARKitを利用できるデバイスを記載します。

表1:【iPhoneのiOS 11/ARKit対応・非対応表】

iOS 11 ARKit
iPhone X 対応 対応
iPhone 8 対応 対応
iPhone 8 Plus 対応 対応
iPhone 7 対応 対応
iPhone 7 Plus 対応 対応
iPhone SE 対応 対応
iPhone 6S 対応 対応
iPhone 6S Plus 対応 対応
iPhone 6 対応 未対応
iPhone 6 Plus 対応 未対応
iPhone 5S 対応 未対応

アップルのARKit開発者向けサイトによると、ARKitはApple A9以降のプロセッサを搭載しているものにしか対応していないため、iPhone 5S、6、6 Plusでは使用できません。使用できるのはiPhone 6S以降のすべてのiPhone(6S、6S Plus、7、7 Plus、 SE、8、8 Plus、X)のみです。

また、iPhoneと同じiOSで動作しているiPadにもARKit非対応の機種があります(表2)。

表2:【iPhoneのiOS 11/ARKit対応・非対応表】

iOS ARKit
12.9インチ iPad Pro(第2世代) 対応 対応
12.9インチ iPad Pro(第1世代) 対応 対応
10.5インチ iPad Pro 対応 対応
9.7インチ iPad Pro 対応 対応
iPad Air2 対応 未対応
iPad Air 対応 未対応
iPad(第5世代) 対応 対応
iPad mini 4 対応 未対応
iPad mini 3 対応 未対応
iPad mini 2 対応 未対応

iPadでiOS 11に対応している機種は、iPad Mini 2、3、4に加え、第5世代iPad、iPad Air、 iPad Air 2およびすべてのiPad Proです。

また、iPhoneと同様に、iOS 11には対応していてもiPad Mini2、3、4とiPad Air、Air2はARKit非対応です。これらの機種ではARKitを使用していないARアプリであれば対応しますが、今後はARKitを使用したアプリが相当数リリースされることが予想されます。iPadの大画面でARKitに対応したアプリを体験したい場合は、買い替えが必要になります。

なお、本記事執筆時でiOS 11に対応するiPodは2015年に発売された第6世代iPod touchのみですが、ARKitには対応していません。iPodでARKitを使用したARを楽しみたい場合、今後第7世代にあたるiPodが発表されることを待つしかなさそうです。

おわりに

今回はARKitの概要と、実際にARKitが使用されている分野における事例、ARkitに対応するiPhone/iPadの機種について解説しました。今後の本連載でARを体験するにあたり、皆さん自身が使用しているiPhone/iPadの機種を確認しておきましょう。

次回は、ARKitをUnityに取り込み、実際に体験してみます。

Mogura VR
MoguraVRのライター兼エンジニアを務めながら、XRコンテンツクリエイトチームであるMark-onの代表を務める。VR、AR、MRコンテンツに触れるだけではなく、イベントでの登壇や、自分でコンテンツも制作。VR、AR、MRの面白さ、楽しさを広める活動を積極的に行っている。

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