6月8日のWWDC基調講演では何が飛び出すのか?(候補のまとめ)
アップル毎年の恒例行事であるWorldwide Developers Conference(WWDC)が6月8日~12日の間開催されると14日に発表があった。例によって彼らはiOSおよびOSXにまつわる計画のキックオフを主な命題として取り上げ、その中で他のことについても触れることだろう。
これまで6月といえばiPhoneのシーズンだったが、アップルはこの件については秋に取り上げると発表した事から、夏の枠は他のアップルがカバーしている幅広い分野に対して間口が広げられている状態だ。iPhoneおよびMacのソフト以外に、新しいTVセットやストリーミングサービスなどの戦略についても語られるチャンスがある。
以下がプレゼンの準備がされているであろう候補だ。
WWDCにまつわる噂のおさらい
アップルはチケットを申し込んだWWDC参加希望者から、参加者をランダムに選び出し、4月20日までに当選者に対して連絡が行われた。価格は1,600ドルだ。もしチケットが取れなかったとしてもがっかりしないで欲しい。キーノートスピーチはApple.comからストリーミング放送される。
言うまでもないが、現時点ではっきり言えることは会場への招待状は今回もネット上で事細かく分析されるだろうということだ。
このグラフィックとタグはあまり手掛かりにならない。幸い我々はアップルが何をしようとしているかについて、これまで噂や兆候から目を離してなかった。もしかするとこれから紹介する事が話題に登ることになるかも知れない。
iOS 9
これまで長らく、6月といえばiOSの季節であり、世間もiPhoneの新ソフトを期待するのは自然なことだ。今年も何かあるかも知れないが、残念なことにiOS 9については何の兆候もない。”大発表”は既に去年、iOS 8でなされている(巨大な携帯のディスプレイに最適化され、アプリを開かなくても通知に対して返信でき、買い物からフィットネスの機能に加え、Apple Watchとの連動機能が追加された等々)。
今回のアップルは安定性と性能に重点を置いてくるだろう。待ち望んでいることの1つが、iOSアップデートの時の巨大なファイルに別れを告げることが出来る事だ。ユーザーの領域を圧迫した件で告訴されて以来、アップルはOSおよびソフトのアップデートの為のファイル容量の削減に力を注いだ事だろう。マップアプリも屋内マップおよびバス/電車の交通情報に(やっと)対応するかもしれない。
また別の噂(いや、むしろ要望だろうか)では、iOS 9でiPadでの分割スクリーンモード、iPhoneとCarPlayで遠隔からのエンジンスタート、そして次に述べるBeatsミュージックサービスがサポートされるという話が飛び交っている。
Beatsミュージックストリーミングサービス
開発者向けのiOS8.4に新しい音楽アプリが盛り込まれていたことと、iTunesの売上の低迷から、アップルが遂にBeatsミュージックストリーミングを公開するのではという噂が出ている。音楽会の重鎮 Dr.ドレとジミー・アイヴォーンの協力を得て、このサービスは去年アップルに加えられ、今ではアップルがメディアプロバイダになるための戦略上のマイルストーンに位置づけられているようだ。(後述のApple TVを参照)
もしこのサービスが日の目を見る事になれば、BeatsはiTunesの一部となり、iTunes Radioを吸収してアップルデバイスにおける音楽局を形成することになる。購読料はおそらく月額で8~10ドルくらいに落ち着くと思われる。10ドルの場合、SpotifyやRdioといったライバルと横並びの形になる。
アップルが音楽ストリーミングで打って出ようとしているのであれば、今はタイミング的に素晴らしい。Jay Zのサービス、Tidalのおかげで、この分野はさらなる注目を集めている。Tidalという名前と反してこのサービスが何かの波風を立てているようには見えない今(少なくとも良い影響は及ぼしていないだろう)、Beatsにとって期は熟したと言っていいかも知れない。
Mac OS X 10.11
WWDCが開発者向けのカンファレンスということを考えると、iOS以外のソフトウェア関係の発表がある事も考えられる。Mac OSのアップデートなどは堅い線だろう。しかしOSX Yosemiteに続いて何があるというのだろうか?今の所これに関する噂など何もなく、ウェブを調べてみてもヒントになるようなものなど見当たらない。
近年のアップルのコンピューターをモバイルに近づける取り組みから、我々は重複することのためにお金を払っている事が多くなっている。iPhoneとコンピュータとでファイルをやり取りするAidDropなどはそうだ。最新のMacBookはほとんどすべてのポートが無くなってしまった事から、この一点だけでもワクワクさせられるが。
Apple TVおよびTVストリーミングサービス
上の図を実に注意深く見てみると、その色合いはTVの色調調整を想起させる。WWDCに先駆けて出回っている中でも最も関心を集めている噂の件がなければ、これは拡大解釈かも知れない。アップルはTVセットの新しいハードウェア及びサービスを発表するというのだ。もしこれが本当であれば、そろそろ明らかになる時だ。
ここ数年で、Chromecast、Rokus、Amazon FireTVその他がリビングルームを占めるなど、ストリーミングは大きく成長を遂げた。、HBO、CBSなどのストリーミングのみのサービスが登場し、消費者にとってはケーブルTVの契約を見直すタイミングとなっている。2年毎に新商品が出てるわけではないにも関わらず、Apple TVは人気のTVストリーミングガジェットの1つとして定着できている。
もしアップルがアプリのダウンロードと音声認識機能を備えた新しいTVデバイスを発表するという噂が本当になれば、これは数あるただの試みから、正式にアップルの看板の1つとなる。またアップルが予想されるように新しいストリーミングサービスを始めることになれば、ケーブルテレビの運命を終わらせる事にもつながるだろう。月額料金は恐らく普通のケーブルTVよりは安く、ユーザーは間もなくネットから直接ライブ番組を視聴することが出来るようになるだろう。
その後の展開はどうなるのか
アップルはApple Watchの健康関連に関する機能を使うためのツールであるResearchKitと、CarPlayをリリースしたが、それ以外の情報は何も出てきていない。
HomeKitについては比較的短い間に見切りをつけられたのか、それともAppleが考えていたよりも難しい取り組みだったのだろうか。(唯一、出回っている噂と結び付けられるところがあるとすれば、Apple TVはスマートホームのハブとして機能しうる点だろうか)
心配になるくらい薄く、USB-Cが唯一のポートとなる12インチのMacbookがこの春の注目を集める中、MacBooks Air/Proについては順当なハードのアップデートを除いてほとんど何も語られていない。語られたことといえば、Airが3840×2160の4Kディスプレイをサポートしたこと等だ。アップルは今回のWWDCでMacbook Air/Pro関連の大きなアップデートを見送った可能性も無きにしもあらずと言ったところだが、考え難いところだろう。アップルのラップトップを既に買った人たちはオプションが出揃っていないことに腹を立てているのだから。
iPad Proについての噂は毎年出ており、今年とて例外ではない。アップルはいよいよこの話を現実にするかもしれない。これを熱望し、話が立ち消えになってしまうことを恐れるユーザーは確かにいる。しかしもしアップルが12インチのiPadの話を進めているとしても、次の6月はiPad Air2とiPad mini3が出てから8ヶ月しか経っておらず、発表のタイミングとしては早すぎるだろう。
話はスマートホームからラップトップ・携帯端末ときて、腕時計に移る。Apple WatchとWatch OSについてだ。一通りメディアに公開された今、最初に鮮烈な印象を残したものの、その後色々意見が出てきているようだ。現時点では、複雑でトリッキーなインターフェイスと動作の鈍さが取り沙汰されているようだが、アップルもそこは理解しているはずだ。WWDCが開かれる頃には実際にApple Watchを手にしているユーザーもいるであろうことから、問題の改善について何らかのアナウンスがあるかも知れない。
WWDCについて、現時点で確実なのは日程と登録方法、チケットの価格と、アップルはセルフィー棒を苦々しく思っていることだけだ。Apple Insiderでは、カンファレンス中にセルフィー棒のようなものを取り出す観客はアップルから叩き出されるという通知が出されている。つまり、CEOのティム・クックやデザイン監督のジョニー・アイブが出てきたらそのようなものはしまえということだ。おそらく現地では自分撮りなんかよりもよっぽど気になる事が起こるだろう。
画像提供:
Apple TV写真:smlp.co.uk
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。