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エンジニアは技術書を創ろう! 技術書同人誌博覧会レポート

2019年8月16日(金)
飯岡 真志
エンジニアのアウトプットをサポートすることが目的のイベント「技術書同人誌博覧会」のようすをレポートする。

昨今は新しい技術が次々と登場することもあり、エンジニアは常にそれらを学習しつつ、仕事に活かせる部分については積極的に活用していくことが求められている。またその流れの一環として、仕事で得られた知見や学習した内容を積極的に公開していくエンジニアが増えている。自らの知識を公開していく場としては、ブログやQiitaのような技術情報の共有サービスが用いられているが、最近ではそれを書籍(同人誌)にまとめるという動きも出てきた。さらに、その流れを加速させたのが、技術系同人誌を扱うイベントの開催であろう※1。代表的なイベントと言えば、技術書典であり、2016年以来これまでに6回開かれている。

※1 実際には技術系同人誌のイベントが開催されるようになったことで、「じゃあ自分も書いてみよう」と考えるエンジニアが増えたと予想される。この辺りは「良いスパイラル」と言えるだろう。

2019年7月、新たな技術書関連イベント「技術書同人誌博覧会」が開催された。会場のようすをレポートしてみたい。またイベント中の忙しい中、実行委員長の森川晃氏にお話を伺うことができたので、そちらも合わせて見てほしい。

会場の外に掲げられたイベントのポスター

会場の外に掲げられたイベントのポスター

初回とは思えないほどコントロールされた会場

新たにイベントを開催する際のチャレンジの一つに、参加者の規模を正しく予想することが挙げられる。実際よりも少なく見積もれば、会場内は混雑で混乱することになるし、多く見積もれば必要以上にコストがかさむことになる。今回の技術書同人誌博覧会は、事前にチケットを配布して1時間あたりの入場者を制限することで、会場内が過度に混雑しないように工夫されていた。その結果、会場内は大部分の時間帯で比較的スムーズに移動できるくらいの人数にコントロールされており、とても快適な状態が保たれていた。

会場内は移動に困らない程度の人数に保たれていた

会場内は移動に困らない程度の人数に保たれていた

技術書同人誌博覧会は大田区産業プラザPiOの展示ホールを使って開催され、出展サークルは66を数えた。技術書メインのイベントに限ったことではないが、サークル数が数百を超えてくると、同人誌を求めてくる一般参加者はあらかじめほしい同人誌を作っているサークルをチェックしておき、会場ではお目当てのサークルを中心に回遊することになる。だが、今回の技術書同人誌博覧会の規模であれば、来場前にチェックしておいた同人誌を入手できたら、あとは会場全体を見て回ってみようと考えた参加者も多かったのではないだろうか。会場内の島(出展サークルごとに割り当てられた机がまとまったもの)は全部で5つであり、おそらく大部分の参加者が全部の島を見て回ったと思われる。

間口の広い「技術」を取り扱うイベント

技術系同人誌のイベントでやり取りされる同人誌というと、どのような内容のものを想像されるだろうか? 例えば、登場したばかりの新しい言語やフレームワークの解説書などが考えられるだろう。だが技術書同人誌博覧会の会場では、それ以外にも非常に幅広い「技術」に関する同人誌が見うけられ、エンジニアらしいユーモアにあふれたものも展示されていた。その一例として、「aNo研」の「プリンを守る技術」という同人誌と、実際のデモを紹介する。

M5Stackを用いた「プリンを守る技術」

M5Stackを用いた「プリンを守る技術」

M5Stackという小型のディスプレイを備えた開発モジュールを用いたシステムで、センサー付き専用の台に載せられたプリンを持ち上げると、警告が発せられ、管理者には通知と「犯人」の映像が飛ぶというもの。実際に稼働するシステムも置かれており、目立っていた。

また「お台場計算尺」では、計算尺の実物も売られていた。

計算尺も売っている「お台場計算尺」

計算尺も売っている「お台場計算尺」

実際に同人誌を作成する際に活用できるマークアップ言語Markdownの解説書も見つけた。「自分でも同人誌を作ってみたいが、どうやって作ればよいのか分からない」といった層への心強いサポートとなるだろう。

Markdownの解説書は「AQUAXIS」

Markdownの解説書は「AQUAXIS」

技術書同人誌博覧会では、会場で扱われる技術書を

  • 技術に関する書籍
  • 技術者の成長に関する書籍

と定義しているほか、エンジニアにとって必要な知識を扱っている書籍であればOKという比較的寛容なレギュレーションを採用している。バラエティに富んだ技術書が多く見受けられるのは、そういう運営サイドのスタンスも影響しているだろう。

写真で見る技術書同人誌博覧会

「エンジニアの登壇を応援する会」

「エンジニアの登壇を応援する会」

サークル名がすべてを物語る。キャッシュレス決済でPayPayに対応している点にも注目。会場内ではキャッシュレス決済はほぼPayPayだった。

「はなごよみ」

「はなごよみ」

旧漢字/歴史的仮名遣いを最新の環境で実現している。

「Just1factory」

「Just1factory」

スマートフォンAppのUIに関する書籍。

「つのぶえ出版」

「つのぶえ出版」

新刊は、エンジニアの必須ツールSlack上で動作するSlack Appsを創るための書籍。

「東京ラビットハウス」

「東京ラビットハウス」

Reactに関する書籍は比較的多く見受けられたように感じる。

「湊川あいの、わかば家」

「湊川あいの、わかば家」

商業出版物も多数手がけている湊川あい氏のサークルでは、同人誌と商業出版物が並ぶ。

「水晶雫世界」

「水晶雫世界」

技術系のライターなら、一度は使ったことのあるアプリのCrystalDiskMark。その開発秘話とイメージキャラクター水晶雫のイラストがセットになった書籍。

「親方Project」

「親方Project」

技術系同人誌を書きたい人を応援するための書籍が多数並ぶ。

フリーランスライター&エディター。アスキー(アスキー・メディアワークス)で技術系雑誌の編集に携わり、2013年以降はフリーランス。

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