Ubuntuサーバのインストール

2008年6月12日(木)
小林 準

インストーラの実行

 インストールには、ハードディスクの中身を消して構わないPCか、空き領域のあるPCを用います。ダウンロードしたイメージをCDに書き込み、そのCDでPCを起動しましょう。

 CDが読み込まれると、最初に「言語の選択」メニューが開きます。「日本語」を選択し、Enterを押しましょう。

 言語を選択すると、次に説明する6つの項目が表示されます。

 「Install Ubuntu」は、インストーラを起動します。

 「CDの異常をチェック」は、CDの内容に問題がないかチェックします。

 「壊れたシステムを修復」は、起動しなくなるなど、異常の発生したシステムを修復する際に使用します。

 「メモリテスト」は、メモリに問題がないかテストします。

 「一番目のハードディスクから起動」はCDではなく、PCに搭載された一番目のハードディスクから起動します。

 初期状態で「Install Ubuntu」が選択されており、そのままEnterを押せば、Linuxカーネルが読み込まれインストーラが起動します。

インストーラから設定

 起動後、以下の質問に答えていきます。

 「トグル・キーの選択」は、多くの場合、デフォルトのままで問題ありません。

 「ネットワークの設定」は、DHCPサーバからネットワーク設定を取得できた場合、自動的に設定されます。しかし、サーバとして利用する場合は固定のIPアドレスを設定するのが一般的でしょう。LAN上にDHCPサーバが見つからない場合、「IPアドレス」「ネットマスク」「ゲートウェイアドレス」「ネームサーバアドレス」の入力を求められます。

 なお、DHCPサーバが存在するLANに接続しつつ、固定IPアドレスを設定したい場合は、このステップまでLANケーブルを抜いておく方法が簡単です。その場合、DHCPサーバが割り当てるIPアドレスと重複しないよう気をつけてください。ネットワーク情報を入力した時に、LANケーブルを差し直しておきます。

 「ホスト名」「ドメイン名」は、ネットワーク上で識別するためのホスト名、ドメイン名をそれぞれ入力します。

 「ディスクのパーティショニング」は、ディスクパーティションの設定です。以下のような項目が表示されます(ハードディスクの状態によって、表示される項目は変化します)。

 「ガイド - ディスク全体を使う」は、ハードディスクの内容をすべて消去し、自動的にルートパーティションとスワップパーティションの2つを作成します。

 「ガイド - ディスク全体を使い LVM をセットアップする」は、論理ボリュームマネージャ(LVM)を利用して自動的にパーティショニングします。

 「ガイド - ディスク全体を使い、暗号化 LVM をセットアップする」は、暗号化LVMを利用して自動的にパーティショニングします。暗号化LVMを使うと、パスフレーズを入力しなければパーティションの内容を読むことができなくなります。これにより、データに対するセキュリティが高まります。

 「ガイド - 最大の連続空き領域を使う」は空き領域がある場合に表示されます。既存のパーティションを削除せず、ハードディスク上の最大の空き領域を自動的にパーティショニングします。

 「ガイド - SCSI (0,0,0) パーティション1. (sda) をリサイズして空き領域を使う」は、既存のパーティションがある場合に表示されます。パーティションを縮小し、できた空き領域を利用します。

 「手動」は、手動でパーティショニングを行います。

 ディスクのパーティショニングをどのような構成にすべきかは、利用形態によって異なります。詳しくは、Linuxサーバのパーティショニングに関する記事を参照してください。

 「ディスクの選択」は、パーティショニングするディスクを選択します。

 「パーティショニングの確認」は、本当にパーティショニングしてよいかの確認メッセージが表示されます。「はい」を選択してEnterを押すと、パーティショニングが実行され、その後Ubuntuがインストールされます。

 「ユーザ情報の入力」は、氏名、ユーザ名、パスワードを設定します。

 「HTTPプロキシの設定」は、外部のサーバにアクセスするのにHTTPプロキシを使う必要がある場合は設定します。

 「インストールするソフトウェアの選択」は、インストールするソフトウェアを選択します。例えば、「LAMP server」を選択すると、Apache Web Server、MySQL、PHPがインストールされます。

 「インストールの完了」でCDが排出され、インストールが完了します。CDを取り除いてEnterを押すと、新しいシステムが起動します。

Ubuntu Japanese Team
Ubuntuプロジェクトのオフィシャルメンバーで、Ubuntu Japanese Teamの代表として活動している。最近は、業務でUbuntuをサーバOSとして利用することも多くなってきた。著書に「独習Linux」(翔泳社、2007年1月)がある。http://junkobayashi.jp

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています