YaSTで簡単セッティング!
YaSTによるディスクパーティションの設定の注意点
SUSE Linux Enterprise Server 10(以降、SLES 10)では、YaSTによってディスクパーティションの設定ができます。
YaSTは、GUI操作によって簡単にパーティション設定ができますが、外部ストレージが接続されている場合、対象となるパーティションがローカルディスクなのか、外部ストレージなのかを注意してください。特にローカルディスクのブロックデバイスが/dev/sdXで割り当てられる内蔵RAIDコントローラを搭載し、かつSAN接続されている構成の場合に注意が必要です。
SANストレージのLUNはSLES 10において、通常/dev/sdXで割り当てられます。つまり、内蔵RAIDコントローラ配下のローカルディスクが/dev/sdXで割り当てられる場合、SANデバイスなのかローカルディスクなのかを見分ける必要があります。コントローラが複数搭載されているような大規模なサーバでは、どのコントローラにどのデバイスが割り当てられているのかを正しく把握しておかないと、誤ったパーティション設定を行うことになりかねません。
このような複雑な構成ではミスを防ぐために、まず外部ストレージとの結線を行わずにローカルディスクのみを設定するという方法があります。
この場合は、Linuxのインストーラからローカルディスクのみが認識されるため、ディスクパーティショニングの設定ミスを低減できます。そして、OSが起動した後に外部ストレージのパーティショニングを行うのです。ただし、システム要件や運用によっては、外部ストレージのファイバチャネル結線を変更できない場合もあるため、既存SANシステムにサーバを追加し、パーティショニングを行う際は、細心の注意を払ってください。
パーティショニング
SLES 10のYaSTでは、ディスクパーティションに割り当てるファイルシステムのタイプと容量を設定できます。YaSTで選択できるパーティションのタイプは、「ext2」「ext3」「reiserfs」「XFS」「vfat」「LVM」「ソフトウェアRAID」「swap」があります。
SLES 10においてはreiserfsやext3を選択するのが一般的です。大容量のファイルシステムを利用したい場合は、適宜XFSを選択することができます。さらに、パーティションに対してはソフトウェアRAIDやLVM(Logical Volume Manager)を構築可能です。
RAIDコントローラを搭載しない廉価なサーバにおいてはソフトウェアRAIDを構成することもあります。しかし、障害発生時の運用が非常に複雑になる傾向があるため、ソフトウェアRAIDはサーバではあまり利用されません。通常は、ハードウェアのRAIDコントローラによって作成した論理ディスク上にLinuxパーティションを作成します。