最新版Ubuntu登場
デスクトップOSとして浸透したUbuntu
6月特集「OS-1グランプリ」の木曜日は、エンタープライズ市場での活用も始まり、ますます注目が集まるUbuntuだ。執筆はUbuntu Japanese Teamの代表、Jun Kobayashiこと小林 準氏だ!Ubuntuをこよなく愛し、その普及のため、講演活動、書籍執筆などを精力的にこなす小林氏。日本語版Ubuntuや充実したWikiなどは彼の努力のたまものなのだ!では、小林氏どうぞ!
Ubuntuは、デスクトップOSとして注目されてきたLinuxディストリビューションです。
最近になって、日本でもUbuntuが大きく取り上げられるようになってきました。昨年より、Ubuntuを取り上げた書籍やムック、雑誌が多く出版されていますし、WebでもUbuntuについての記事は増え続けています。
一方、海外では以前よりUbuntuが高く評価されてきました。そのことを顕著にあらわしているのが、昨年、DELLがアメリカおよびヨーロッパ地域でUbuntuをプリインストールしたPCの販売を開始したことでしょう。これは、多くのユーザの声に応える形で実現したものです。
今やUbuntuは、Windowsの代わりとなるOSの第1候補として、多くの記事で名前が挙げられるまでになっています。デスクトップ向けのLinuxディストリビューションの標準として認められつつあると言ってよいでしょう。
Ubuntuがこれほどまでに広がった背景には、「フリーソフトウェアで構成された、自由で無料のOSを広く普及させる」というUbuntuの目標があります。この目標に魅力を感じた人々の協力により、UbuntuはデスクトップOSとして急速に成長してきました。
サーバOSとしてのUbuntu
では、サーバOSとしてはどうでしょうか。
Ubuntuは、デスクトップOSとしての普及を目指して開発が開始されたディストリビューションですが、現在はサーバOSとしても利用できるように開発されています。
デスクトップOSに求められるものと、サーバOSに求められるものは大きく異なりますが、共通する部分もあります。まず、OSの基盤部分を中心として、多くのソフトウェアが共通で利用できます。そして、確実なセキュリティフィックスの提供、継続的な開発の継続、定期的な新バージョンのリリースが求められるという点も、両者に共通しています。よって、デスクトップOSとして成功しているUbuntuが、それをベースにサーバOSとしての普及を目指すのは当然だと言えるでしょう。
Ubuntuは、新しいバージョンが6ヵ月ごとにリリースされています。通常のリリースなら18ヵ月、長期サポート版ならばデスクトップが3年間、サーバについては5年間、セキュリティホールやバグの修正パッチが提供されます。この特徴は、デスクトップOSとしてだけでなく、サーバOSとして利用する際にも非常に重要です。OSのアップグレードには、さまざまなコストがかかりますし、リスクも伴います。事前にアップグレードが必要な時期が明確になっていれば、アップグレードの計画が立てやすいでしょう。
このような利点があるため、Ubuntuをサーバとして利用する例が増えています。しかしながら、現在のところ個人やコミュニティ、小規模なサービスでの利用が中心で、エンタープライズサーバとしての普及はこれからです。こういった状況の中、Ubuntu 8.04 LTSはエンタープライズサーバのニーズを満たすものとして、この4月にリリースされました。
では、このUbuntu 8.04 LTSについて次ページから紹介していきましょう。
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