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巧妙化するサイバー攻撃 2020年に向けた新しいサイバーセキュリティへの挑戦

2016年3月3日(木)
ReadWrite Japan

■2020年に向けたセキュリティの課題

モノのインターネット(IoT)が注目されて久しいが、あらゆるデバイスがインターネットに繋がるということは、世の中が便利になり恩恵を享受することができる反面、これまでの我々の想像を大きく上回るリスクが存在することを忘れてはならない。

先月2月11日(木・祝)都内にて、開催された「テレビ東京ビジネスフォーラム2016」では、テレビ東京の人気経済番組の出演者やゲストによるトークセッションや、企業によるセミナーが行われた。

今回のテーマは「緊急提言!“2020年問題”」。これからの日本経済、日本社会はどのように進んでいくのか、多くの著名人が論じた。

■サイバー攻撃が命を奪う可能性も

企業セミナーでは、サイバーセキュリティ領域において、国内で独自の研究開発活動を展開している株式会社FFRIの代表、鵜飼裕司氏が講演を行った。

サイバーセキュリティと言えば、昨年6月に大きく報道された日本年金機構の事件は記憶に新しい。鵜飼氏は、別名「IoTオリンピック」と呼ばれる、2020年の東京オリンピック開催に向けて注目が集まる中、来たるべきIoT時代に向けて、サイバー攻撃によって、人命に関わるリスクが生じる可能性にも言及。

車や家電など様々なデバイスがインターネットに繋がる時代がすぐそこまで来ているが、例えば車やホームセキュリティが簡単にハッキングされることが実際に発表されているといった危険性を示唆した。

■これからのセキュリティ対策に求められること

鵜飼氏によれば、最近のサイバー犯罪は組織化しており、劇的に増加するウイルスと巧妙化する攻撃手法により、旧来の対策が役に立たなくなってしまっているという。それは、最近増えている標的型攻撃では、特定の企業や個人に向けて個別にカスタマイズされたウイルスが使われるため、既知のウイルスと照合する、いわば指名手配写真集のような「パターンマッチング技術」によるアンチウイルスソフトでは防げないという。

それに対し、FFRIが提唱する独自の技術「CODE:F」は、パターンに頼らず、ウイルスの悪意のある振る舞いをとらえて検知防御する技術であるため、既知のウイルスだけでなく未知の脅威にも対応できるという。

実際に、この独自の技術を使った製品「FFR yarai」や「Mr.F(FFRI プロアクティブ セキュリティ)」では、2009年以降の著名な標的型攻撃で使われたウイルスは全て検知防御に成功している、と鵜飼氏は語る。

未知の脅威が拡大する2020年東京オリンピックや、IoT時代の到来。享受できるメリットだけを追い求めるのではなく、情報、そして命を守るこれからのセキュリティ対策にも注目をしていきたい。

ReadWriteJapan編集部
[原文]

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