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クラスタリングの種類
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クラスタリングといっても様々な種類があります。
総称としてのクラスタリングとは「複数のコンピュータを相互に接続して、ユーザやほかのコンピュータに対して1台のコンピュータとして認識させる技術」であり、用途に応じて以下の3つに分類されます。
- HA(High Availability)クラスタ
- 負荷分散クラスタ
- HPC(High Performance Computing)クラスタ
表3:クラスタの種類
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HAクラスタ
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HAクラスタの目的はシステムの可用性を高めることにあります。通常はFC接続による共有ディスクなどを使用し、運用系のシステムに障害があった際に待機系のシステムに業務を引き継ぐことで、クライアントに対して継続したサービスの提供を可能にします。
主にシステムの停止を避けなければならないデータベースやメールサーバなどの更新系のサービスに使用されていますが、その適用範囲は広がっています。
図3:HAクラスタ
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負荷分散クラスタ
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同じデータにアクセス可能な複数のサーバによって構成され、それぞれのサーバの負荷を一定になるようにクライアントからのリクエストを分散して処理します。専用の機器を用いた方法と専用のアプリケーションを使用する方法があり、主にWebサーバなどの参照系のシステムで用いられます。
またクライアントからのリクエストを分散して処理するという意味では、データベースクラスタリングもこの分野に該当し、代表的なアプリケーションとしてOracle RACやDB2 ICEなどがあります。
図4:負荷分散クラスタ
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HPCクラスタ
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単体では性能の低いマシンを複数台使用し、分割されたデータを計算する計算ノードとデータを送出し計算結果を蓄積するデータノードによって構成され、主に科学技術計算などのシステムに使用されます。
図5:HPCクラスタ
負荷分散クラスタやHPCクラスタの場合、大きなリクエストや大きな計算能力が求められる分野にのみ使用され、大規模な環境でないと使用されません。それに対して、止めたくないシステムがあるという需要は、企業規模や環境規模の大小にかかわらず必要とされています。
本連載では、可用性の向上をメインとしたHAクラスタについて取り上げていきます。
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著者プロフィール
バックボーン・ソフトウエア株式会社 青木 浩朗
ストレージ専業ベンダーにて、SEおよび企画を担当した後に、2001年にBakBoneSoftware入社。主に大手ベンダーのSEを担当しながら、テクニカル・マーケティングとして、各種講演や執筆活動を行っている。最近は、特にデータベースとクラスタリングに注力し、検証レポートを作成するのをライフワークとしている。
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