Java開発で優れているツールは何か
Java開発で優れているツールは何か
Java開発環境のデファクトスタンダードともいえるEclipse。これに対してOracleから提供されているJDeveloperもデータ ベース系アプリケーション開発者を中心に人気が高いツールだ。では、その両者を比べて、どちらが使いやすく、優れているのか。この2つを徹底的に比較した 連載が「徹底比較!! Eclipse vs JDeveloper」である。
第1回:設計工程の機能比較!
著者:NTTデータ先端技術 竹添 直樹
現在ではもはやIDEなしでの開発は考えられないという状況です。これは開発マシンの高スペック化やJava自体の高速化もありますが、やはり Eclipseの登場によるところが大きかったのではないでしょうか。本連載ではEclipseとJDeveloperが提供する機能を「設計工程」「製 造工程」「試験工程」のそれぞれのフェーズに分けて紹介していきます。実際の開発においてIDEの選定の一助となれば幸いです。
それでは、設計工程をサポートする機能を「UMLモデリング」と「データベース設計」の2つの点から見ていきましょう。Eclipseには標準では UMLモデリング機能は搭載されていませが、プラグインをインストールすることでUMLモデリング機能を追加することができます。 また、Eclipseのワークスペースとの強力な連携機能を備えています。たとえばクラス図の場合、ダイアグラムとワークスペースのソースコードは完全か つ双方向に同期します。ダイアグラムを修正すればソースコードに、ソースコードを修正すればダイアグラムに変更内容が即座に反映されます。この機能によっ てラウンドトリップ型の開発が可能になります。
JDeveloperは標準でUMLモデリング機能が搭載されており、クラス図、シーケンス図、アクティビティ図、ユースケース図を記述することが できます。クラス図はJDeveloperのプロジェクト内のJavaクラスと同期させることができます。この場合、ダイアグラムに加えた修正は即座に ソースコードに反映されます。
第2回では実装工程で使用可能なJava開発支援機能について、EclipseとJDeveloperが提供している主要な機能を紹介する。
第2回:開発工程の機能比較!
著者:NTTデータ先端技術 亀井 隆司
監修:NTTデータ先端技術 竹添 直樹
Eclipseには、標準で「JDT(Java Development Tool)」と呼ばれるJava開発環境がプラグインとして搭載されています。たとえばエディタ上で記述したコードにエラー箇所がある場合には該当箇所に 波線が引かれ、エディタの左側にアイコンが表示されます。アイコンをクリックすると修正候補が表示されるので、選択することによりコードの修正が簡単に行 えます。
JDeveloperのJavaエディタにもコードのエラー表示やハイライト表示など、Javaソースコードの編集に必要な機能が一通り揃えられて います。エディタの上部にはツールバーが用意されており、コードのハイライトやsetter/getterの生成、スーパークラスのメソッドのオーバーラ イド、コードのフォーマットなどの機能がワンクリックで利用できます。
EclipseにはないJDeveloper固有の機能として、画面下部の「Design」「History」タブがあります。「Design」タ ブをクリックすることでオープンするビジュアルエディタでは、SwingやAWTといったGUIアプリケーションをドラッグ&ドロップで簡単に作 成することができます。
アプリケーション開発が容易にできるツールとは
IDEとして長い歴史を持っているDelphi。多くのDelphiファンもいるのだが、ではなぜこれだけDelphiが支持されるのか。それは データベースアプリケーションの開発がとても容易に行えることが理由のひとつであろう。この連載では、Delphiを使ってデータベースのアプリケーショ ン開発に強いDelphiの特徴を具体的な手順と併せて紹介している。
第1回:半日で業務アプリケーションが開発できる!(前編)
著者:CodeGear 米澤 千賀子
「操作性にこだわらないちょっとした業務アプリケーションなら、半日で作ることができる」。これは、プロトタイプやデモアプリケーションのことでは ありません。実際に「Delphi」を使って業務アプリケーション開発を行っているユーザの声です。Delphiは、データベースへの接続、高度なユーザ インターフェースの構築など、業務アプリケーション開発に役立つ特徴的な機能を備えており、データベースに接続して、照会/更新するようなデモアプリケー ションなら、それこそ数分でできてしまいます。
本連載では、データベースのアプリケーション開発にとても強いDelphiの特徴を具体的な手順と併せて紹介していきます。Delphiは、マウス によるドラッグ&ドロップ操作によって、ボタンや入力ボックスなどといった画面構成要素をフォームに配置して開発を行います。ボタンが押されたと きの処理はイベントとして定義します。このような開発スタイルから、直感的な操作で、目的の処理をすばやく記述できるのが大きな特徴なのです。
第2回:半日で業務アプリケーションが開発できる!(後編)
著者:CodeGear 米澤 千賀子
データベースアプリケーションの処理で面倒なのは、データベースサーバに問い合わせを行った結果、セットをクライアント環境でどのように扱うかとい う処理の部分です。グリッドのようにコントロールにデータを表示して編集可能にするには、クライアント環境にデータを保持し、そして双方向のカーソル移動 に対応しなければなりません。
今回のマスター/詳細データを表示するアプリケーションの開発では、ビジュアル操作だけで、1行もコードを書かなかったことがおわかりいただけたで しょうか。このようなビジュアル操作だけで、簡単に高度なデータベースアプリケーションを作成できるのが、Delphiが高い生産性を実現できる理由なの です。
もちろん、もっと複雑なアプリケーションにカスタマイズしたり、独自の処理を追加したい場合には、コードを記述したり、他のプロパティを設定するこ とで対応できます。その場合でも、現在のビジュアル開発の生産性を損うことはなく、あくまでも、ビジュアル開発の延長として、カスタマイズを行うことがで きるのです。