ドキュメント指向データベースと列指向データベース
![](https://thinkit.co.jp/sites/default/files/styles/main_image_730x/public/main_images/1692_main_7.png?itok=UIZg7dwD)
MongoDBを使ってみる
MongoDBは本来ならサーバーにインストールして使うソフトですが、雰囲気を体験できるように、MongoDBのサイトにインタラクティブシェルが公開されています。MongoDBのサイトに接続し、グローバルナビゲーション部分で「TRY IT OUT」のリンクをクリックすると、シェルを起動することができます。この後で取り上げる例は、シェルで実際に試してみることができます。
MongoDBでは、リレーショナルデータベースのテーブルに相当するものを、「コレクション」と呼びます。また、行に相当するのがドキュメントです。コレクションにドキュメントを追加するには、以下のように書きます。
db.コレクション名.insert(ドキュメントの内容);
ドキュメントの内容は、JSON形式で記述します。例えば、表1のようなドキュメントを「sample」というコレクションに追加するには、以下のように書きます。
db.sample.insert({ 'title' : 'Hello', 'content' : 'World' });
上の例の「title」や「content」は、リレーショナルデータベースで言えば、列名にあたります。ただ、MongoDBはスキーマレスなので、事前に列名を定義しておく必要はありません。
ドキュメントには、JSONで表せる形であれば、複雑な構造のデータを入れることができます。リレーショナルデータベースとは違って、無理に複数のテーブルに分割する必要はありません。例えば、表2のように、2つのカテゴリに属するようなドキュメントを保存したい場合、以下のようにカテゴリを配列の形で表すことができます。
また、findという命令を使って、ドキュメントを検索することもできます。検索条件もJSONの形で表します。例えば、「category」の値が「Database」になっているドキュメントを検索するには、以下のように書きます。
db.sample.find({ 'category' : 'Database' });
title | Hello |
content | World |
表1:ドキュメントの例
title | MongoDB |
content | Document Oriented Database |
category | Database |
Scalable |
表2:カテゴリが2つあるドキュメントの例
列指向データベースの概要
NoSQLの中でよく出てくるデータベースには、「列指向データベース」というタイプのデータベースもあります。
リレーショナルデータベースはデータを表にして表しますが、特に行方向での操作に適しています。例えば、テーブルの中から、特定の条件を満たす行を検索して読み込むことは、リレーショナルデータベースでよくある処理です。
ただ、アプリケーションの処理内容によっては、列方向の操作を頻繁に行う場合もあります。例えば、「テーブル内の全レコードに対し、ある列の値を一斉に更新する」という処理を頻繁に行う場合、列方向の操作に特化したデータベースの方が、性能面で有利になります。
このように、列方向の操作に適したデータベースのことを、総称して「列指向データベース」と呼びます。
列指向データベースに分類される製品は、多くあります。例えば、商用のデータベースでは、「Sybase」という製品がよく知られています。また、Googleの「BigTable」も、列指向データベースの一種です。
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- データベース:サーバにデータを保存しよう
- SoftLayerでMongoDB環境を構築してみよう
- クラウドの力を引き出す分散データベース
- Foreign Data Wrapper(FDW)の機能強化
- Active Recordのその先へ ~RailsでMongoDBを使う~
- OLAPのための高速カラム指向データベースClickHouseの概要を紹介
- 「TAURI」でデータベースを使ってみよう
- IoTに適したNoSQL・分散Key-Valueストア
- NoSQLとNewSQLの技術革新、マルチテナンシーの実現と高いスケーラビリティを提供
- Web SQL DatabaseとIndexed Database API