Rational Team Concertのある生活~チーム・リーダーの1日

2010年11月2日(火)
渡邉 雄一宮城 豊

2.6 「計画」を立てる(プロジェクト2日目)

<リーダー>
『これで一応の設定は済んだ。いったんRTCを離れ、プロジェクトの計画を立てる「計画ゲーム」を実施して、次のことを決めよう』

ここでは、<リーダー>を含む全員でプロダクト・バックログ(ストーリ)を検討し、スプリント期間内で開発する対象を選択します。選択には、優先順位や見積もり(ストーリ・ポイント)を基準にします。こうして、選択したプロダクト・バックログを実現するための作業を洗い出します。洗い出した作業が、スプリント・バックログ(タスク)となります(コラムC5参照)。

以下に、検討したプロダクト・バックログをRTC上で設定する手順を説明します。

決まったことがらを、RTCの「計画」に設定します。

1)スプリント期間・回数

図11: 「プロジェクト・エリア」の「予定表」の作成(クリックで拡大)


スプリントの期間、回数を、編集・設定している例です。

2)スプリント1で作るバックログ

図12: 「バックログ」の作成(クリックで拡大)


ワーク・アイテム(タイプ: ストーリ)で、スプリント1の「バックログ」を作成しています。

3)「ワーク・アイテム・カテゴリ」の追加

図13: 「ワーク・アイテム・カテゴリ」の追加(クリックで拡大)


「プロジェクト・エリア」の中に、ワーク・アイテムのカテゴリを追加します。目的は、後で「計画」の「分類」を適切に行うことです。

4)チームの計画を作ってメンバーにチャット

図14: 「計画」策定後の、チャットでのメンバーへの連絡の様子(クリックで拡大)


「計画」ができたので、チームのメンバーに、その情報を連絡します。メールで送付することも可能ですが、ここではチャット機能を使っている例を紹介します。

5)メンバーへのワーク・アイテムの割り振り

図15: 「ワーク・アイテム」をメンバーに割り振っている例(クリックで拡大)

<リーダー>
『明日から、本格的なチーム作業が始まる。。。』
(というのが3日前の状況だったなぁ・・・)
<リーダー>
『これで、ガント・チャートも出てくると良いのになあ』

図16: Rational Team Concert (RC版)での「ガント・チャート」の表示例(クリックで拡大)


今後リリースを予定している次期版「RTC V3.0」では、ユーザーからの要望が多かったガント・チャートなどの機能が製品に反映されています。詳細は、稿をあらためて紹介できればと思います。

今回は、リーダーの視点から説明しました。次回は、メンバーの視点から説明します。

【コラムC5】実際のスクラムの役割とRTCの役割

スクラムでは、計画を立てる際に、プロダクト・バックログとスプリント・バックログと呼ばれる概念を用います。

プロダクト・バックログは、「何のために何を作るのか」を表現します。RTCでは、ストーリのワーク・アイテムが該当します。スプリントと呼ばれる開発期間の単位(通常は、2週間~1カ月程)ごとにプロダクト・バックログを選択します。選択の際には、ユーザーにとっての優先度(ユーザーに価値をもたらす程に高い)と、ストーリ・ポイント(要求のサイズ)の情報を用います。

選択したプロダクト・バックログは、それを実現するためのタスクに分割されます。これがスプリント・バックログです。RTCでは、タスクのワーク・アイテムが該当します。

株式会社SRA

産業開発統括本部 製造・組込システム部 コンサルティンググループに所属。
RDBアプリ開発、プリンタドライバ開発、ネットワーク設計・管理(動的経路制御)などを経て、近年は、ツールの導入・活用のコンサルテーションに従事している。最近の担当分野は、「構成管理」、「脆弱性診断」、「プロジェクト管理」など。仕事上の最近の興味は「組織プロセスとツール活用の効率化・最適解」。

株式会社SRA

産業開発統括本部 製造・組込システム部 コンサルティンググループに所属。
1982年SRA関連会社より1986年SRAに。約10年間業務アプリ・エミュレータ等の開発に従事、以降現在まで、ツール導入・活用のコンサルテーション業務に従事する。Rational 製品のPurifyとは17年来の付き合い。最近メタボ体策で、知らない町をぶらぶら散歩し、道に迷う事に喜びを覚えている。

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