Rational Team Concertのある生活~チームの1日
3. 導入に向けて
この連載記事では、チーム開発にかかわる立場ごとに、RTCの最適な使い方を解説してきました。RTCの機能を網羅的に説明すると印象が薄まってしまうと考え、今回の連載では、意図的に、典型的なシナリオを設定し、このシナリオに合わせた重要な機能をピックアップして解説しました。説明が物足りないと感じられる個所もあったかと思いますが、これらについては無償版のRTCをダウンロードして実際に試用評価をしていただければ幸いです。
最後に、試用評価の注意点などを簡単に説明します。
3.1. どこから入手するか
RTCは、IBMのサイト(https://jazz.net)で、情報が公開されています。日本語の情報としては、日本IBMがまとめているサイトがあります。文字列「Team Concert Japan Wiki」で検索すれば、容易に探しあてられると思います(参考URL)。
3.2. RTCで分からないことがあった場合には
無償版のRTCを使っていて分からないことがあった場合には、上記の日本IBMのサイトを探すか、IBMのサイト内に「フォーラム」が設置されているので、こちらで情報交換することをお勧めします(本格的な導入評価を行いたいユーザーに対しては、SRAが支援できます)。
3.3. 導入評価で見落としがちなこと
RTCは、Eclipseで使用することが多く、どうしても開発者寄りの視点での評価に偏りがちです。このため、本記事では、マネージメント層の視点に立った解説も加えました。これ以外に、できれば「導入評価」も反復で行えればベストだと思います。
特に、記事では触れなかった視点として、社内標準(開発プロセス)の策定や、保守業務担当者の視点があります。具体的には、効率的な運用のために、RTCが用意している「プロセス・テンプレート」を、どのようにカスタマイズするのか、という観点です。
3.4. 導入に向けて準備すべきもの
RTCは、クライアント・サーバー型で動作するため、サーバー側に必要十分なハードウエア・リソースが必要です(ベンダーのサポート・ページで確認してください)。筆者のまわりでは、手元のWindows XP ProfessionalにRTC一式をインストールして試用しています。ただし、最新版の RTC V3.0は、RTC 2.0以前と比較して、より強固で本格的なサーバー・システムになっています。可能であれば、専用のサーバーを構成・構築することをお勧めします。
最後になりますが、RTCのような、チーム(組織)のためのツールは、開発の最前線にいるエンジニアだけではなく、かかわっているほかの立場の視点も、とても重要です。可能であれば、3~4人くらいの評価プロジェクト・チームを組んで、実際にRTCを試用してみることを勧めます。
すでに、あちこちで繰り返されていることですが、「アジャイル(俊敏)」や「オフショア(地理的分散)」など、新しい開発スタイルで生産性や品質を高めるためには、ツールの活用が不可欠です。本記事が一助となり、読者がRTCを理解・評価・体験することになれば、望外の喜びです。
連載バックナンバー
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- Rational Team Concertのある生活~チーム・リーダーの1日
- Rational Team Concertのある生活~チーム・メンバーの1日
- RTCを活用したアジャイル開発の実際
- Eclipse Wayをひもとく(その2)
- Eclipse Wayをひもとく(その1)
- “コラボラティブである”ために(2/2)
- Visual Studio 2005によるプロジェクトの進捗管理
- ソフトウェアがもたらす価値と、それによるイノベーションをアピール
- レイアウトのカスタマイズ
- 「Microsoft 365 Copilot」の3つのポイントと「Microsoft 365 Loop」を構成する3つの要素