もうすぐ完成! テスト駆動開発によるボウリングのスコア計算プログラム

2015年2月19日(木)
吉谷 愛
  1. [高梨]大丈夫です!
    それでは前回同様にBowlingGameクラスへの組み込みを進めていきましょう。判定するのは現在のフレームですから、配列の最後尾の要素を対象にしてください。
  2. [古谷]はい、lastメソッドを使用すれば良いですよね?
    あと、今回は前回と違い、既にBowlingGameクラスにspare?メソッドが定義されていますので、これは削除かコメントアウトする必要がありますよね?
  3. [高梨]その通りです!
    ただ、リファクタリング方針を精査するまで削除せずにコメントアウトでお願いします。さてどうですか?
    組み込めましたか?
  4. [古谷]これで大丈夫ですか?
spare?メソッドをBowlingGameクラスに組み込む(クリックで拡大)

図8:spare?メソッドをBowlingGameクラスに組み込む(クリックで拡大)

  1. [高梨]大丈夫です!
    では、このタイミングでリファクタリングしましょう。先程コメントアウトしたBowlingGameクラスのspare?メソッド内では、@shot_no変数と@last_pins変数が参照されていますよね?
    これらは、このメソッドの中でしか使用されていませんので、@shot_no変数の値を指定しているproceed_next_shotメソッドとあわせて、ごそっと削除してください。そしてこのタイミングで、コメントアウトしてあったspare?メソッドも削除してください。
  2. [古谷]そうか、いきなり削除していたらリファクタリングができなくなるから、一端はコメントアウトするように指示したんですね!
  3. [高梨]そうです。ただ、リファクタリングが進んで、本当に不要になったら即削除します。いつまでも意味なくコメントアウトしたコードを残し続けても百害あって一利なしです。
  4. [古谷]はい!ではまずは@last_pins変数とコメントアウトしたspare?メソッドを削除しました。
リファクタリング。不要になった変数は削除(クリックで拡大)

図9:リファクタリング。不要になった変数は削除(クリックで拡大)

  1. [高梨]大丈夫です!
    では引き続き@shot_noとproceed_next_shotを削除してください。
  2. [古谷]これでどうでしょう?
リファクタリング。不要になったメソッドも削除(クリックで拡大)

図10:リファクタリング。不要になったメソッドも削除(クリックで拡大)

  1. [高梨]大丈夫です、だいぶ慣れてきましたね!
    では、ストライク判定もFrameのstrike?メソッドを適用してください。ここでは、BowlingGame のstrike?メソッドを削除してFrameのstrike?メソッドに置き換えるだけで大丈夫です。strike?メソッドも、もう削除しちゃってください。
  2. [古谷]はい、できました!
strike?メソッドもBowlingGameクラスに組み込みつつ、リファクタリング(クリックで拡大)

図11:strike?メソッドもBowlingGameクラスに組み込みつつ、リファクタリング(クリックで拡大)

  1. [高梨]素晴らしい!
  2. [古谷]ありがとうございます!
    それにしても……今まで一生懸命考えてきたメソッドや変数をザックザク削除するのは、切ないような爽快なような微妙な感覚です……
  3. [高梨]気持ちはわかりますが、シンプルなコードに勝るものはありません。DRY(Don’t Repeat Yourself)という言葉があります。これは、プログラム中に同じようなコードをいくつも存在させてはいけない、という考え方です。
  4. [古谷]DRYは聞いたことがあります。そうですね、TDDの際は特に意識しておかないいと……
    コードの断捨離、続けます!
  5. [高梨]コードの断捨離、良い言葉ですね!
    それでは勢いをつけて、次に進んでいきましょう。次回はいよいよ最終回、ボーナス点の保持と記録した点数を返す責務をFrameに委譲し、リファクタリングを極めましょう!
  6. [古谷]はい!よろしくお願いします!
フロイデ株式会社 代表取締役

「最新のアーキテクチャを追及し続ける技術者集団」を目指す、フロイデ株式会社代表取締役社長。現在は、自身のCOBOLからRailsまでの非常に幅広い開発経験や、学生や未経験社員への技術指導経験を糧に、技術講師としてソフトウエアエンジニアの育成に注力している。2013年06月より、初心者向けの「はじめようRuby on Rails開発!」シリーズを考案。“技術者の立場にたった、技術者の心に火をつける”熱い講義をモットーとしている。

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