クラウドのストレージ要件を満たすには

2009年9月14日(月)
阿部 恵史(あべ よしふみ)

クラウドコンピューティングを実現するNetAppのストレージテクノロジー

 それでは、前ページの検討事項、すなわちクラウドコンピューティング環境の実現に必要なストレージインフラの要件に対応するネットアップのテクノロジーについて説明します。

 一般的に、従来の他社製ストレージでは、さまざまな利用目的や利用規模に対応するために、異なる種類のストレージを提供するアプローチがとられていました。ハイエンドSAN用、NAS用、アーカイブとコンプライアンス用など、ハードウエアアーキテクチャやマイクロカーネルなどが異なるストレージを購入する必要がありました。

 その結果、複雑さが増してストレージ利用率は低下し、容量とパフォーマンスの共有や再割り当てが難しくなり、ストレージインフラ個々および全体としての利用状況の可視化も困難でした。

 これに対し、従来シングルアーキテクチャのユニファイドストレージを開発提供してきたNetAppの統合ストレージは、このような問題点を解消できます。NetApp FASストレージ製品群は、すべて単一のオペレーティング環境であるData ONTAPを搭載し、利用目的・規模によらず、あらゆるニーズに対して同一のハードウエア、ソフトウエアで対応でき、高度な効率化を実現することができます。

 Data ONTAPはクラウドコンピューティングに求められるすべてのストレージ機能の基礎となります。柔軟なスケーラビリティを備えた効率的なスケールアウトアーキテクチャや、常時稼働のインフラを実現する透過的なデータ移行、仮想化ソリューションとの統合、セルフサービス式データ管理機能と自動化機能を提供します。

 米国では2009年8月、日本では2009年9月に発表したData ONTAP 8は、現行機能の拡張と新機能の追加により、シェアードインフラに不可欠なテクノロジーを、既存のNetAppプラットフォームに提供することを目指しており、既存のインフラ資産を生かしつつも将来のクラウドインフラ基盤の基礎となる最新のテクノロジーと位置づけられます。

ストレージ効率化と拡張性

 ストレージの効率性が向上すると、ストレージの総容量を大幅に削減できます。それにより、ストレージコストの削減だけでなく、消費電力、冷却コスト、フロアスペースの削減にも貢献できます。ネットアップが提供するストレージ効率化テクノロジーは、従来提供しているものも多く、将来のクラウド環境においても効果が期待できます。概要を図3-1にまとめましたので、ご参照ください。

 業界平均のストレージ利用率は40%を下回る、と言われることもありますが、これらのテクノロジーの組み合わせによって、ストレージ利用率を60%以上にまで引き上げることも可能です(図3-2参照)。

 次回は、引き続き、クラウドストレージに必要なテクノロジーを、「セキュアなマルチテナント環境」と「データモビリティの実現」を中心に説明する予定です。

著者
阿部 恵史(あべ よしふみ)
ネットアップ株式会社
マーケティング部 部長 製造系企業の情報システム販社、外資系ITベンダーなどを経て2007年8月より現職。その間、企業の基幹系システムの設計・開発・導入、インターネットTV開発、UNIX系ハイエンドサーバー、クラスタシステムの導入コンサルティングなどを経験し、2002年よりマーケティング職に転身。現在もデータセンターインフラの仮想化・自動化およびグリッドソリューションを担当。

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