NetAppが考える“クラウド”とは何か
「クラウド」の定義について
米国では2009年8月25日(日本時間8月26日)、日本では2009年9月1日に、NetApp(ネットアップ)として初めて正式にクラウド戦略について発表を行いました。そこで今回から3回にわたって、NetAppの考えるクラウドコンピューティング戦略と、クラウドコンピューティング環境実現のためのテクノロジーについて解説します。
今回は技術的な話が少なくなりますが、NetAppがクラウドコンピューティングにおいて必要と考えている技術的要素と、それを具現化して提供できるようにした「製品」について理解していただくために、最初にNetAppの考える「クラウド」という言葉の定義と戦略について明確にしておきたいと思います。
おそらく多くの方が感じているように、「クラウド」という言葉は非常に多くの技術的・ビジネス的要素を含んだ巨大なアンブレラタームとなっており、各者(社)各様の定義が生まれている状況です。
そのため、本記事を書き進めるにあたり、NetAppは「クラウド」をこのように定義した前提で論理展開している、ということを明確にしておきたいと思います。
クラウド技術を4つのカテゴリーに分ける
NetAppは「クラウド」を“IT as a Service”(以降ITaaS)と、「クラウドコンピューティング」をITaaSを実現するためのビジネスモデルと定義しています。そして、クラウドを次の4つのカテゴリーに分類しています(図1参照)。
■プライベート・インターナル
社内向けのクラウドで、企業内データセンターの各種リソース(インフラだけでなくアプリケーションも含めて)を企業内ユーザー、あるいは関連会社に対してサービスとして提供するものです。当社のテクノロジーを活用してクラウド環境を実現した事例としては、BMW、シーメンスなどがあります。
■プライベート・エクスターナル
Salesforce.comやOracle On Demandなど、企業におけるビジネス業務のIT化を、社外のクラウドサービスを活用して実現するものです。
■パブリック(Traditional IT)
パブリック・クラウドは企業だけでなく個人消費者に対するサービスを含んだもので、Gmail、Google Appsなどがあります。
■パブリック(Non-IT)
パブリック(IT)と同じく企業だけでなく個人消費者に対するサービスを含んだもので、FaceBookやYouTube、iTunesなど、主に個人消費者向けに提供される大規模なサービスを示しています。
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