ESXiって何だ?
ESXiは大規模な仮想運用を見据えた設計
前述したように、ESXとは異なり、ESXiはサーバーに対してすべて標準化されたプロトコルを利用して、外部からリモートコントロールする管理方法を目指していることがわかります。
しかし、x86系OSを集約するための仮想サーバー環境を作る時に、各仮想サーバーに管理用OSがインストールされる方式は、非常に非効率であると思います。
これは、筆者の個人的な考えですが「1台のマシン上で複数の仮想マシンを動作させる」ということであるならば、管理用OS付きというのはそれほど違和感はありません。しかし、数十、数百の仮想マシンを運用するため「複数台のマシンをグループ管理して、その上で複数の仮想マシンを動作させる」場合には、それぞれのマシンに管理用OSが搭載される方式は、アーキテクチャとして少し無駄な部分がある気がしてなりません。
仮想化サーバー台数が多くなればなるほど、ローカルで操作して仮想サーバー1台1台をそれぞれ管理するよりも、リモートからすべてを一括管理していく方が効率的に運用できます。
つまりESXiは、サーバー仮想化コアのエンジン部分だけに構成をシェイプアップしただけでなく、外部のリモート環境からの操作を受け付けるための必要なインターフェースを備えることで、大規模な仮想化運用の効率化を見据えたアーキテクチャとなっていると言えます。
ESXiで気軽にスタート!
ここまで紹介したように、ESXiは、多くの本番環境での運用実績を持つESXと基本機能を同じとしながら、より大規模な環境や、より簡単に利用できるような配慮がなされたものです。
こんなESXiが、無償で利用できるとは筆者も1ユーザーとして、非常にうれしい限りです。
ESXiを未経験のESXユーザーの方はもちろんですが、まだサーバー仮想化に触れたことのない方、すでにVMware WorkstationやVMware Serverを利用している方にも、今回の連載をよい機会として本格的にサーバー仮想化に触れていただきたいと思います。
次回から数回にわけて、ESXiの実際のインストール方法や設定/利用方法の解説や、ESXiのスタンドアロン環境からエンタープライズ環境への移行、そして、将来に対して秘めたる可能性について触れていきます。