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コワーキングスペースを支える3つのスタートアップ企業

2017年10月23日(月)
ReadWrite Japan

IoTとコワーキングオフィスには多くの共通点がある。どちらも誰でも利用でき間口の広さがあり成長を続けられるが、それゆえにコミュニティの接続を安全にすることとのバランスが重要である点だ。

これはかなりの難問である。The Farm Coworking社の共同設立者 Lucas Seyhunは次のように言う。「ニューヨークの著名な技術的スタートアップ企業と仕事をしていますが、技術が人と人との繋がりに取って代わることがないよう、その育成には十分注意を払っています。IoTはこれを達成する手立ての一つであり、コミュニティが結束を強め、安全に成長する上で役立つ興味深いものの開発の始まりが見えてきたところです。」

中でも次の3つの技術はコミュニティの成長のための繊細なバランスを実現する上で役立つものだ。

一つ目に挙げるのはKisi社のクラウドベースのアクセス管理プラットフォームで、モバイルデバイスやカードを使ってエリアへの出入り制限を行うものである。

アメリカ オースティンに拠点を置くコワーキングオフィスの atx FACTORY社はこのテクノロジーを採用している。設立者のVijay Mehraは次のように述べる。「この技術によって、メンバーはスマートフォンを使い、設備に24時間いつでも出入りできています。安っぽいアクセスカードを支給するのは我々が望むところではありませんし、メンバーの多くはモバイルや仮想現実に関わっていることからここではモバイル技術を取り入れたいのです。また1日のうちで設備にアクセスできる時間に制限がある格安のメンバーシップがあり、メンバーが抜けた際はアクセスカードの回収を行わずに無効化できます。そのためアクセス制限は容易に行えます」

Kisi社の共同設立者 Bernhard Mehlのように説明する。「世界中のものにオープンアクセスをもたらすことがKiri社のビジョンであり、そこで手がけたのは不動産です。ビルは大抵締め切られており、IoTはこれを変えることができると考えたのです」

職場の管理に絶対必要なもの

二つ目、WUN Systems社はコワーキングや共有スペース向けの職場管理システムの会社だ。同社の営業ディレクター Warren Hersowitzは次のように言う。「WUN社が提供するのはデータやWiFi などの職場のテクノロジーに関するものや、電話やドアの開閉を管理するためのプラットフォームです。このサービスはメンバー毎に合わせた調整も可能です。例えばあるメンバーは24時間365日利用でき、予約を入れた際は会議室が使え、音声やデータ通信のプランが利用可能であることが必要であれば、我々はそれに合わせます」

またこれらコワーキングオフィスにはより良いオートメーションや効率化のために、同社のシステムが組み込まれているという。Hersowitz氏は次のように説明する。「我が社のプラットフォームによりオートメーションが可能となり、コワーキングオフィスの収益の改善に繋げることができます。例えばこれまではスタッフがいる時のみ行えた会議室の利用が時間を問わず行えるようになったり、ポータルサイトや携帯アプリを通じて即座にサインアップし情報にアクセスできるようになるなどの顧客体験の向上、スタッフの業務効率の向上などです」

三つ目、最後に挙げるのは空間の動体検知や追跡技術はカメラを使わずに行う幅広い技術を持つ企業、XANDEM社である。スクリーン上のコワーキングオフィスに”X”の文字が表示されてるのを見てなんだと思うだろうか。

同社のCEO Joey Wilsonは次のように言う。「コワーキングオフィスにおいてXANDEMの機能がアピールできることは多いです。人々はそこに行く前に、スペースがどれだけ空いてるかを知りたいと思うかもしれません。XANDEMはそこでどれだけのアクションが起きているかを表示することができます。オーナーが電力消費削減のために照明を自動化したい場合でも、XANDAMは応えることができます」

これはコワーキングオフィスでは大事なことだが、XANDEMはプライバシーの問題についてもWilson氏はいう。「多くの場合において、カメラによる職場の監視はプライバシーや機密保持の面から適切ではありません。しかしXANDEMはやり過ぎることのないリアルタイム監視を実現できます。我々が知ることができるのはフロア図を動き回る小さな”X”だけだからです」

GEMMA CHURCH
[原文4]

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