一歩先には違う世界が。先端テクノロジーに触れて“発想”を形にする楽しさを体験!

2019年6月11日(火)
望月 香里(もちづき・かおり)

5月18日(土)、神奈川県・川崎市のマーケットスクエア川崎イースト一階にて、期間限定で開催されている子ども向け体験ブース「モノづくり こども.ラボ」へ伺ってきた。

期間限定の子ども向け体験ブース「モノづくり こども.ラボ」

子どもとテクノロジーが出会う場所

モノづくり こども.ラボは、合同会社DMM.comが秋葉原に構える総合型プラットフォーム「DMM.make AKIBA」を通じて、未就学児から小学生までを対象とした先端テクノロジーを活用した展示、デモ、ワークショップを体験できる特設ブース。

DMM.make AKIBAが東急不動産グループから「お子様のいるご家族向けに有効スペースを活用した取り組みを一緒にできないか」と相談を受けたことがきっかけで、もっと「モノづくり」を盛り上げるため、子ども達にモノづくりに興味をもってもらえたらと開催に至った。4月27日~6月29日までの水曜日~土曜日に誰でも無料で入場できる。

なお、毎週土曜日には週替わりでワークショップを実施。5月18日は株式会社タイカの「αGEL(アルファゲル)を使ったコースター作り」のワークショップが開催された。同ワークショップは13時~と15時~の2部があり、多くの親子連れが参加していた。

株式会社タイカのαGEL(アルファゲル)ワークショップ

世界で1つだけのコースターを作ろう!
親子で楽しむαGELワークショップ

ワークショップの工程は、まず容器の中にαGELを流し込み、模様を描いたり、好きな色を付けたりしていく。次にホットプレートの上に置いて固めたら、その上にまたαGELを乗せて複層。もう1度ホットプレートで温めたら容器から外し、最後に冷水の中に入れゲルが固まるのを待って完成。αGELの耐熱温度は100度以上なため、熱いものをそのままおいても大丈夫とのこと。参加した子ども達は、思い思いのコースターを作っていた。

まず、容器の中にαGELを入れて…

色付きのゲルも使って、自分好みのコースターにカスタマイズ!

絵が描けたら、ホットプレートで温めて。また描いて塗って温めて

「できたよ!」 世の中に自分だけの一点もの!

ふにゃふにゃして面白いぞ、αGEL!

遊びながら先端テクノロジーを体感!

ブース内には、ほかにもIoTミニ四駆体験コーナーや、特殊な木材を利用した落書きゾーンなどがあり、遊びながら先端テクノロジーに触れられる場となっていた。

スマホの画面でミニ四駆を操作! 目から「楽しい」が溢れる

3Dプリンターで作られた目の光るさかな。何匹ゲットできるかな?

どうしたら、歯車回るかな?

音がなるよ! キーボードもタッチパネル化

操縦はお手のもの? ちゃんと動くかな?

親御さんの想いは
「テクノロジーに触れることが大事」

参加された親子連れに、話を聞いた。小学2年生の子どもが「行きたい」と言ったから来たという親子。「とにかくものづくりが好きで、今はマインクラフトに夢中。柱を組んだらどうなるかなど、理屈で考えられるのは良いこと。ゲームも良いが、先端テクノロジーに触れた経験がモノづくりの方へシフトしてくれたら」と語った。「遊びながらラボ、研究・探求できるのは良い。楽しみ方も広がってくれたらうれしい」。

もう1組は、上海からの親子連れ。話を聞いているうちに、QOL(Quolity Of Life)の話題へ。ワークショップは子どもが小さいため遊び込むところまではいかなかったが、ラボ・テクノロジーに触れられるのは良いと考えている。「子どもが生まれる前に日本に住むことを決めた。理由は土日に家族でゆっくり過ごしたり、自然と触れ合ったりという文化が良いなと思ったから」。上海では、自分の子ども時代や今も、塾やゲームなど自然に触れ合う機会が少ないという。「例え仕事で儲かったとしても、スピード社会でストレスのある生活はしたくない」と語っていた。この時代どんな生き方をしたいかが、やはり重要なのだと再認識した。

身近なものにも使われている
株式会社タイカのαGEL

今回ワークショップを開催した株式会社タイカの担当者にも、αGELについてお話を伺った。αGELは靴やシャープペンなど、私たちが日頃使っているものにも使われている。商品を見る時、アシックスや三菱鉛筆など、メーカー名に目が行きがちだが、そもそも製品としてできあがるには質感ややわらかさなど、そのマテリアルが大事。素材ありきで製品ができあがる。見た目が良くても、どのような素材を使っているかで耐久性なども変わってくる。どのメーカーの素材を使っているかで商品が選ばれるようになったら嬉しいとのこと。αGELの素材を生かした「やわらか標本」も見逃せない。

生卵を落としても割れないαGEL。靴の衝撃吸収材としても使われている

実はあなたも持っていたりして…

DMM.make AKIBA
「親子でモノづくりの世界に興味を持つ
きっかけを生み出せた」

本イベントを主催したDMM.make AKIBAにもお話を伺った。こども.ラボのような「こども」に特化したイベントの開催について今後の具体的な日程は未定だが、「同じ思いを持っている企業や団体と共にモノづくりに触れる場づくりは引き続き行っていきたい。ぜひお声がけいただききたい」とのことだった。

また、今回のブースはDMM.make AKIBAのコミュニティでできたつながりにより実現したもので、「遊ぶ」ということを軸にこどもたちの意志でモノづくりに触れてもらうことができたという。実際に遊ぶ様子から主催側が何かインスパイアされることがあったかを聞いたところ、IoTミニ四駆やロボットアームなど大人でも操作が難しいものを子ども達の学習能力ですぐに自在に動かせるようになり、さらに今度はその子が自主的に周りに使い方を教える姿が見られ、子どもにもこのようなことができるのだと、親御さんからは感嘆の声が上がったそう。

どんなことに熱中していくにも最初のきっかけは「楽しい」という感情。「今回のこども.ラボを通じてモノづくりの「楽しい」に触れ、親子でモノづくりの世界に興味を持つきっかけを生み出せたのではと感じている」と担当者は語った。

* * *

「行ってみないとわからない」。あなたは、モノ・コトとの出逢いをどのように捉えているだろうか。 今回体験したことが直接将来の何かに役立つと断言はできないが、経験したかしないかの差は大きいと思う。見る人により感じるものは違う。ワークショップの取材中、趣味でレジンやプラバンでキーホルダーを創作している知り合いが頭に浮かび、さっそくαGELの素材を紹介させていただいた。まさに、そこに足を運んだからこその「出会い」があった。

子ども向け体験ブース「モノづくり こども.ラボ」特設ブースは6月21日(金)までの水~土曜に開催、21日以降はワークショップのみ22(土)、29(土)に開催している。ぜひこの機会に、親子で先端テクノロジーに触れてみてはいかがだろうか。

著者
望月 香里(もちづき・かおり)
保育士資格を活かして、放課後児童クラブで勤務しながらライターもこなす二刀流。ものごとの始まり・きっかけを聞くのが好き。低山トレッキング・NHKフロンティア・世界街歩きが好き。
ブログ:https://note.com/zucchini_232

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