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自宅から推しテクへの愛を叫ぼう!「July Tech Festa 2021 winter ~推しテク総選挙~」レポート

2021年2月25日(木)
July Tech Festa 2021 winter 実行委員

はじめに

「July Tech Festa」、略してJTFは「インフラエンジニアの祭典」です。

ご存じの方もおられると思いますが、毎年7月30日はシステム管理者の日です。JTFの名前は、その7月に由来しています。毎年7月開催を目標にしていますが、実は様々な理由で毎回7月に開催できているわけではありませんでした。また、2021年は1月と7月の2回開催することにしたこともあり、1月開催でも「July Tech Festa」です。

JTFでは、毎回インフラ技術を中心に据えつつ、エンジニアにとって有益な各種事例、チームビルディングや英語、フロントエンド系技術等のセッションを取り扱っています。

運営は「JTF実行委員会」という有志の集まりで行われています。今年で9年目、1月24日(日)に開催された今回の「July Tech Festa 2021 winter」で9回目の開催となりました。2013年の開始当初から毎年、産業技術大学院大学を会場に開催してきましたが、このコロナ禍においては、昨年からオンラインイベントとしてYoutube Liveでの配信に切り替え、開催を継続しています。

JTF2021 winterのテーマは「#推しテク総選挙」

“推しテク“という言葉には、「自分が好きな技術について語ること」という意味が込められています。エンジニアがお気に入りの技術を語るときはいつも輝いています。聴いている側も、その技術を使い込んだ人の話は奥深く、示唆に富んでいて、何よりもワクワクしますよね。

豊富なテーマの全39セッションを開催

今年は、公募でご応募いただいた数々のセッション候補から39セッションを編成しました。そして、それぞれに2種類の時間枠(25分と60分セッション)を設定。ギュギュッと濃い内容の25分、じっくり広く深くの60分です。ぜひ当日のプログラムをご参照ください。各セッションの動画はYouTubeチャンネルから、資料はイベントサイトにてご覧いただけます。

以降では、その中からJTF実行委員会が厳選したセッションをいくつか紹介します。

A3:プロダクト誕生の背景から学ぶ
PrometheusとGrafana Loki

ゼットラボ株式会社の吉村翔太さん(@yosshi_)による「プロダクト誕生の背景から学ぶPrometheusとGrafana Loki」セッションです。このセッションでは「PrometheusとGrafana Lokiがどのような背景から生まれたのか」という切り口で解説しています。

まず、Prometheusが誕生した背景です。PrometheusはGoogle社内で利用されていた監視システムBorgmonにインスパイアされた、元Googlerで現SoundCloudのエンジニアにより作られたプロダクトであるとのこと。PrometheusやBorgmonはGoogleの分散クラスタ管理システムであるBorgのために作られており、SLO(Service Level Objective - サービスレベル指標を用いて定められた、サービスの可用性や信頼性に対する目標のこと)を下回ることなく、継続した変更(開発)を行うことを目標としているようです。

一方のGrafana Lokiは、Grafana Labが2018年に作ったOSSであるとのこと。単にMetricsだけではインシデントの全容の半分しか分からず、残りの半分であるLogを参照を参照するためのプロダクトです。MetricsとLogs参照時の切り替えコストをGrafanaで完結することで最小化したいという狙いから開発されたとのことでした。

このように、本セッションではPrometheusやGrafana Lokiの誕生の背景から始まり、ソフトウェアのアーキテクチャ、利用方法や設定方法など、私たちがPrometheusやGrafana Lokiを使い始めるために知っておきたい全体像を解説していました。

その他にも、PrometheusやGrafana Lokiのベストプラクティスを学ぶための様々なサイトもたくさん紹介されているので、本セッションに興味を持った方は、是非セッション動画をご覧ください。

B4:私が3つ目の専門軸としてSREを選んだ理由
~これからのエンジニアキャリア戦略~

株式会社ウエディングパークの斉藤健太さん(@saik1010)による「私が3つ目の専門軸としてSREを選んだ理由 ~これからのエンジニアキャリア戦略~」というテーマのセッションです。

「キャリアで悩んでいる人は多いのに、意外とエンジニアのキャリアを生々しく語っているものはないのでは?」という問いかけから講演がスタート。「記事として取り上げられているエンジニアのキャリアの話は『現時点で成功している人の話』で、ストーリーがキレイすぎて自分ゴトとして受け止められない」という指摘には、Twitterでも多くの共感のツイートが投稿されていました。

キャリアを考える上で重要な「3つのポイント」として、以下が挙げられていました。

新しいことへの挑戦は、専門軸を増やしていくことになる。複数の専門軸を掛け合わせれば、より希少性の高い人材になっていく。斉藤さんは自身にとっての新しい専門軸はSREであり、SREを選んだ理由と経緯を語りました。

「プランド・ハップンスタンス」「ピーターの法則」「100万分の1の人材になる方法」など、キャリアを考える上で参考になる理論も分かりやすく解説されているので、キャリアに悩んでいる方はぜひ本セッションの動画をご覧ください。

C1:Azure DevOpsで実現する
UnityアプリのハイパフォーマンスCI/CD

株式会社バンダイナムコスタジオの八重樫 剛史さん(@hogegashi)による「Azure DevOpsで実現するUnityアプリのハイパフォーマンスCI/CD」というテーマのセッションです。

Android/iOS Unityアプリ開発においてCI/CDを実現するためにMicrosoft Azureを利用し、実施したPoCを通して得た知見についてわかりやすく解説しています。主な推しテクとして取り上げられたのは「Unity Build Server」「Azure DevOps」「Azure Pipelines」「Azure Image Builder」など。

各サービスの概要や適用方法や使い勝手、コスト面での考察などが丁寧に解説され、先行事例の少ない中で検証を進められたことが伝わる、聴き応えのあるセッションでした。

また、既存サービスで充足できない機能についてはCLIツール「customazed」を自作するなど、工夫を凝らした一面も解説。Unityに限らず、Microsoft Azureを用いたCI/CDのクラウドシフト事例として興味のある方は、本セッション動画の視聴をおすすめします。

D2:OSS活動を細く長く続ける技術 @songmuによる「OSS活動を細く長く続ける技術」というテーマのセッションです。

OSS活動は、エンジニアであれば誰しも憧れを抱く取り組みだと言える一方で、OSSにコントリビュートしていくことは敷居が高そうだとも言われています。しかし「自分の普段使いの道具をOSSにする」「とりあえずpull requestを送ってみる」という、松木さんの実体験に即した言葉に奮い立たされた方、励まされた方は大勢いたのではないでしょうか。実際に「発表を見て行動を起こしました」とブログに書かれた方もいらっしゃいました。JTFをきっかけにこういった動きが生まれることは運営として嬉しいかぎりです。OSS活動に興味のある方には、ぜひ本セッションの動画をご覧いただきたいです。

E2:IT監視とは何か
監視エンジニアのスキルと成長

監視にまつわるセッションを多く盛り込んだEトラックからは、New Relic株式会社の九龍 真乙さん(@qryuu)による「監視を行うエンジニアのスキル」というテーマのセッションを紹介します。

監視システムを扱うに当たっては「監視するものに対しての事前知識を持つ必要がある」ことを訴えかける内容でした。視聴者により理解を深めてもらうため、温度・気圧センサーから取得した監視グラフを例として挙げて説明しました。

  • 温度と併せて気圧を確認することで台風の通過時間がわかる
  • 台風で言えば事前に気象の知識が必要なように、CPUやメモリの監視では事前にコンピュータサイエンスを学んでおくと正しい判断が行える

さらに監視の事業自体にも目を向け、今後MSP(Managed service provider)が生き残る方法として「システム全体として分析したものを対価として頂くものであり、サーバやコンテナの単位で分析したものを対価として頂くものではない、ということが重要」と指摘し、「MSPはシステムの終端ではなく先端である」と締めくりました。

是非本セッションをはじめ、充実した監視に関わる動画をご覧ください。

F6:プログラミング英語の弱みを握る

合同会社グローバリゼーションデザイン研究所の西野 竜太郎さん((@nishinos)による「プログラミング英語の弱みを握る」というテーマのセッションです。

プログラミングでは英語が頻繁に使われます。例えばソースコードには関数名や変数名、コメントなどがあります。ここで使われる英語には独自の「特徴」があり、機械翻訳では完全な翻訳はまだ難しいのが現状です。よってプログラミングをするには英語の学習が必要となってきますが、「プログラミング英語の特徴(=敵の弱み)を知ることで効率的に学習できる」という内容でした。

関数名、変数名、コメントの特徴を理解しておくことで「何をする関数なのか」「何のための変数なのか」が明確になってきます。これは複数人でプログラムを作り上げていく上で、非常に重要な要素であると言えるとのこと。

西野さんはプログラミング英語に関する書籍を多数執筆しているだけでなく、「プログラミング必須英単語600+」というコンテンツを無償(CCライセンス)で公開しています。さらにプログラミングで求められる英語力を測定する試験として「プログラミング英語検定」も運営されています。興味がある方は、ぜひ本セッションの動画をご覧ください。

G1:リモートワーク時代の
心理的安全性のつくりかた

書籍『心理的安全性のつくりかた』(日本能率協会マネジメントセンター刊)の著者である、株式会社ZENTech 石井遼 介さん(@ryouen)による、「リモートワーク時代の心理的安全性のつくりかた」というテーマのセッションです。現代社会における心理的安全性の必要性、心理的安全性を高めるための行動やリモートワーク時に有効な3つのTIPSなどを解説しました。

心理的安全なチームをつくるために必要な「リーダーシップ」は、役職や勤続年数、年齢に関わらず一人ひとりが持つことが重要で、様々なことが起こりうる職場環境において柔軟に対応できる「心理的柔軟性」を持つことが大切。心理的柔軟性を簡単に表現すると「行動に集中し、役に立つことをしようとする」ことだそうです。

石井さんの所属するZENTechでは、Zentech Morning Onlineを火・金曜の朝8:10~8:40で開催しています。本動画で「心理的安全性のつくりかた」に興味を持たれた方はぜひご参加ください。

G5:突然のグループ一斉在宅勤務開始!!
1における働き方を変革する技術や仕組み

GMOペパボ株式会社 シニア・プリンシパルエンジニアの山下 和彦さん( @pyama86)による、「突然のグループ一斉在宅勤務開始!! 1における働き方を変革する技術や仕組み」というテーマのセッションです。

コロナ禍において社員全員が早々にリモートワークへ移行したGMOペパボの事例を、様々な角度から解説しています。「在宅勤務とは如何にあるべきか」を考え、それを実現するために技術を駆使し、slackbotやミドルウェアをOSSで開発・利用されているとのこと。

セッションの最後には、今後のオンボーディングの課題などを共有いただきました。「日本一テレワークが上手い会社になりたい」と言われる 山下さんの今後の活動に注目です。テレワークに課題を持たれている方が如何に取り組んでいけば良いかを学ぶために有用なセッションです。

おわりに

JTFは毎回素晴らしい講師の皆様と、熱意と向上心あるエンジニアの皆様に支えられて成り立っています。ご参加いただいた方は、本当にありがとうございます。

冒頭でも少し触れましたが、次回は2021年7月に開催予定です。そして記念すべき第10回目でもあります。講演内容を見て心震えた方は、ぜひ日頃学んだことを登壇者としてアウトプットすることにもチャレンジしてみませんか。JTFは皆様のインプット・アウトプットのサイクルを支える大きな車軸になりたいと考えています。

そして、JTF実行委員会のメンバーやプログラム選考委員も随時募集中です。ご興味にある方は、ぜひ協力してエンジニアの仲間たちに最新の知を探求する場を作り上げてみませんか。

それでは、また次回お会いしましょう!

著者
July Tech Festa 2021 winter 実行委員
安部 秀基 玉木 岳爾 土屋 陽介 羽深 修 早川 大貴 藤崎 正範 藤原 善基 山崎 泰宏

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