フレームワークを便利にするプラグイン!
「疎結合」こそ再利用のキーワード!
これまでも約3回にわたって解説してきた中で、「再利用」という言葉が頻繁に出てきたと思います。前回は開発効率を上げ、そして面倒な処理を省くためにフレームワークを導入することについて紹介しました。
そこで第4回の今回は、フレームワークを使ってさらに便利に、そしてよりスピーディに開発するための「プラグイン」について、実例を交えて解説していきましょう。
フレームワークの活用をすることで、さまざまな恩恵があることは前回解説した通りです。そこで今回は、前回登場した「疎結合」というキーワードについて少し触れたいと思います。
疎結合とは、その名の通り結合が「疎」になっているもので、オブジェクト指向のフレームワークにおいては非常に重要なファクタになっています。オブジェクト指向においてさまざまなオブジェクトが「密」に結合しあうということは、あまり好ましくありません。それは、再利用しようとした場合に、結合が密になっていると、とても利用しにくくなってしまうからです。
結合が密になっているということは、例えばAというクラス(ライブラリ)がBというクラスに依存している場合、Bクラスを修正した時に、Aクラスを利用している範囲も再テストが必要になってきます。
この程度であればあまり問題ではありませんが、これが非常に広範囲にわたって利用される場合、膨大なメンテナンスコストがかかり、とてもやっかいな問題になってきます。
ここで重要なのは、結合が「疎」になっていることで、たとえ修正を行ったとしても影響範囲を最小限にとどめることができる点です。これが疎結合の最大のメリットであり、プラグイン機構の最大の存在意義と言えるでしょう。
プラグインとは疎結合な機能のカタマリ
さてプラグインとは「プラグ」の名が指し示す通り、本体機能とは独立し「プラガブル(pluggable)」に利用できる、つまり自由に抜き差しできるような疎結合に提供されるライブラリのことを指します。利用するフレームワークによって具体的な実装方法などは変わりますが、この原則は変わりません。
またプラグイン自体も玉石混合で、公式に提供されるプラグインもあれば、サードパーティ製のものや、さらには野良プラグインなどもあります。これらはすべて疎結合であるが故に開発しやすく、また自由に制作できるため、活発に開発が行われています。