フレームワークのススメ
フレームワークとは「型」
前回はライブラリの有用性、そしてPEARなどの実際のライブラリの使い方を説明しました。これらを活用することで、開発の効率をさらに向上させることはご理解いただけたかと思います。そこで今回は、さらなる効率化を推し進めるべく開発された、「フレームワーク」について紹介したいと思います。
「フレームワーク」とは、最終的にできあがったシステムを「製品」とするならば、いわば「型」とでも言うべきものです。ある程度決まった処理を行うことが多いWebなどの場合、定型の処理内容を用意し、それを処理する「型」を提供することで、開発はその型を利用して素早く簡単に適切な処理を実行することができます。
「ライブラリ」を再利用可能なプログラムの部品、「ネジ」や「ケーブル」とするなら、そのネジやケーブルを使って製品を組み立てるための「型」、もしくは「工場」と言うべきものまでも用意されているフレームワークも多くなっています。
もちろん工場では色々な製品を作ることができます。フレームワークを利用しない場合は、工場の土地や作業員、果ては伝票のフォーマットまで決めなくてはいけません。しかし、これらの「決まりきった」仕事はほぼ用意されていて(多少の調整は必要かもしれませんが)、後は部品をどう組み立てていくか、だけに集中することができます。つまり、最小限のコストで、最大限のパフォーマンスを出すことができるのです。
面倒なことはしない。やらない。したくない!
細かな面倒な仕事は部下にやらせる、と言うと聞こえが悪いかもしれませんが、些末なことを気にせず、開発により集中できるような仕組みを提供するのが、最近のフレームワークの主な仕事です。徹底的に無駄を省いて、面倒な仕事は押し付けちゃいましょう。人間と違って、文句を言いませんから。
また、最近のフレームワークの多くは、「ここまでやってくれるのか」と驚くほど多くの機能が盛り込まれています。またそれらはとても簡単に利用することができ、まるで用意されたピースをはめ込んでいくパズル感覚で構築していくことができます。そのためより効率的に、また楽しんで構築することができます。