YaSTで簡単セッティング!
ブートローダの設定について
OSがディスクから正常に起動するためには、ブートローダが適切な場所にインストールされている必要があります。SLES 10のインストーラにおけるブートローダの設定では、ブートローダの種類を選択し、ブートローダのインストール位置を入力します。SLES 10では通常GRUBブートローダを使用します。問題はGRUBブートローダのインストール位置です。OSを起動させるサーバがSANブートするか否かにより、ブートローダのインストール位置が異なるので注意してください。
SLES 10でブートローダのインストール位置を変更するには、「ブートローダの場所」でブートローダの起動方法を選択します。SmartArrayコントローラが接続されたProLiantサーバにおいてローカルディスクから起動する場合は、インストーラで/dev/cciss/cXdXが認識されているはずです。これはローカルディスクのデバイス名ですので、ローカルディスクから起動させたい場合は、ブートローダを/dev/cciss/cXdXにインストールします。
/dev/cciss/cXdXにブートローダをインストールすることで、ディスク領域の先頭512バイトにマスターブートレコードがインストールされます。SAN接続されている状態で、インストーラの「高度なブートローダオプションの設定」を明示的に設定していないと、正しくブートローダがインストールできない場合がありますので、SAN接続されたサーバにおいては特に注意してください。
また、ローカルディスクからブートする場合は、SLES 10ではマスターブートレコード(/dev/cciss/cXdX)を選択します。
SLES 10のインストールに関する留意点のまとめ
最後にSLES 10をサーバにインストールする場合の留意点をまとめておきます。
インストールに必要なメディアは、CD-ROMが複数枚になります。DVD isoイメージを利用すると作業効率が高まります。
環境によっては、テキストインストールで日本語が利用できない場合もありますが、適宜環境にあった言語を選択してください(ミドルウェアおよび、アプリケーションの要件に注意してください)。キーボードは、日本語106/109キーボードを選択します(サーバ用途でも日本語キーボードが一般的です)。
Webサーバを使ったHTTP経由のインストールやNFSインストールなどを選択し、環境にあったネットワークインストールを選択できます。ネットワークインストールに利用するIPアドレスの設定を行います。また、bondingインタフェースの作成はOSインストール後に行います。管理対象サーバのIPアドレスとネットマスクは、適宜「Gateway」と「Name Server」と入力しておいてかまいません。ネットワークインストールの場合は、WebサーバなどのインストールソースのIPアドレスを指定します。
パーティションは、カスタム設定にした方がよいでしょう。テスト用であれば自動設定でもかまいませんが、本番環境ではシステム導入手順書などに記載された内容通りにパーティショニングします。
SLES 10のインストーラは、内蔵ハードディスクドライブや外部ディスクのLUNを自動認識します。通常OSは内蔵ディスクにSLES 10をインストールします。内蔵ディスクにおいてSmart Array系では/dev/cciss/cXdXに、非Smart Array系RAIDコントローラやSCSIコントローラでは/dev/sdXに、IDE系コントローラの場合は/dev/hdXにインストールします。
一般的に「/boot」パーティションの作成を行います。例として/bootに100MB程度を割り当て、reiserfsやXFSファイルシステムでフォーマット可能です。マウントポイントの/bootに100MBを確保する場合は、インストーラにおいて容量(単位はMB)に100を入力します。また、システム用件に応じて、スワップパーティションを作成します。ファイルシステムタイプとしてswapを選択してください。「/」パーティションは必ず作成します。
内蔵ディスクの先頭512バイトにブートローダをインストールする必要があります。Smart Array系コントローラの場合は/dev/cciss/c0d0を、SCSI系コントローラの場合は/dev/sdXにインストールしてください。
ホスト名を設定では、ドメイン名を含めて設定するかどうかシステム要件を確認します。
管理者アカウントrootのパスワードが必要です。さらにテスト用の一般ユーザアカウントもインストール時に作成しておきます。また、rootアカウント以外のアプリケーションのテスト用ユーザアカウントtestuserを追加しておきます。
ソフトウェアパッケージの選択はシステム要件に大きく依存しますが、サーバ用途であればベンダーが提供するコンパイルが必要なドライバのインストールを行うために、開発環境のパッケージをインストールするのが一般的です。
アプリケーションでは、テキストエディタなど最低限の作業ツールの他にGUI環境対応のWebブラウザなども必要に応じて選択してください。
仮想マシンモニタXenを導入するかどかについては、仮想化に関する適切なコンサルティングを受けた上で検討してください。Xenカーネルで起動してよいかや、エージェント、ドライバ、ミドルウェアがXen環境をサポートしているかどうかを確認する必要があります。
認証方法としては、最低限/etc/passwd認証ができるようにしてください。WindowsのActive Directory統合におけるLDAP認証などを導入する場合は、認証だけでなくそれに利用されるSambaなどの運用に精通している必要があります。
時刻のズレを補正するためにNTPサーバを利用する場合は、サーバがアクセス可能なインターネットやLAN上のNTPサーバを指定してください。サーバの利用形態(例えばHAクラスタなど)によっては、時刻のズレがシステム停止を招く恐れもありますので、できるだけNTPサーバに接続できる環境を用意してください。暫定的にサーバを構築する場合は、NTPサーバへの接続がない環境でも利用可能ですが、NTPサーバによる時刻補正がないリスクを十分理解した上でサーバを利用してください。